LINEヤフー 坂上亮介CFOが考える、AI活用が浸透した先にある財務組織の“役割”と“存在意義”
AIとの協働は「攻めの財務」への進化を加速させるか……AI時代に強い財務パーソン像とは?
AIによる定型業務や反復作業の自動化・自律化が進むと、財務や経理の働き方、ひいては存在意義に大きな変化が生じるのではないか。そんな洞察が日本でも出てきている。企業の財務リーダーたちは実際にどう感じているのだろうか。LINEヤフーでCFO(最高財務責任者)を務める坂上亮介氏に、AI活用で変わる財務組織の役割と、その先に“人”が果たすべき役割とは何か、現時点での考えを伺った。
エンジニアから財務の世界へ、AIの技術進化にも強い関心
──2008年に、統合前の旧 ヤフーに入社されたのですよね。そこからはずっと財務領域でお仕事をされてきたのですか。
坂上亮介氏:新卒時のキャリアはSI企業のエンジニアとしてスタートしたのですが、そこから経営企画へと転身して、2008年に当時のヤフーに入社しました。そこからは、ずっと財務の世界で仕事をしています。
──エンジニアのご経歴があるのですね。ではAIにもかなり関心を持たれているのでは?
坂上氏:関心は強く持っています。利活用の面ではまだまだ推進中ではありますが。従来のITプロダクトは、要件定義やプログラミングのとおりに動く“予測可能”なものでしたが、AIは学習しながらどんどんアウトプットを変化させていく、時には予測不能な振る舞いを見せるところがやはり大きな衝撃ですね。これをどう使いこなしていくかが個人的な関心ごとではあります。
──その視点がいかにも元エンジニアだなと思いました。
坂上氏:どうしても仕組みを知りたくなるんですよね、エンジニアとしての経験があるからかもしれません(笑)。SaaSの時代までは、以前の技術トレンドからの順当な連続性があって、それほど大きな変化を感じたことはなかったのですが、生成AIの登場はやはり別格のインパクトがありました。
「攻めの財務」が求められる時代、CFOが感じる責任
──AIは財務の仕事にかなり影響をもたらすでしょうが、それ以前から財務部門やCFOには大きな変化が求められていましたよね。経営の高度化に貢献するFP&Aの実践や、非財務領域への投資、「攻めの財務」へのシフトなどといった具合に。
坂上氏:そうですね。2014年の『伊藤レポート』発出、2015年のコーポレートガバナンス・コードの発出を契機に、まず株主価値に対する意識が物凄く高まったと思います。元々、株主価値の最大化はCFOにとっての重要ミッションではありましたが、その意識が経営や組織全体に対して求められるようになったことは大きな変化でした。LINEヤフーでも、今は各事業におけるドメイン(部門)のリードも株主目線で物事を考えるようになっています。
そして2025年には、上場企業におけるIR体制の整備が義務化されましたよね。企業と株主が同じ船に乗ってしっかり方向性をすり合わせることが、以前にも増して重要になっていると思います。私自身も、年に2回ほどは海外投資家を訪問するようになるなど、投資家との対話の機会をもっと増やすようにしています。
──海外の投資家から、LINEヤフーという企業はどのように見られている印象ですか。
坂上氏:やはり2023年にLINEとヤフー、さらにはZホールディングスが統合して「LINEヤフー」となってからは、日本を代表するインターネットカンパニーだという認識が広がっているのを感じます。
それから、LINEは今や日本の月間アクティブユーザー数で1億人を突破し、国内ではほとんどの方に利用いただいています。そうなると、単なるインターネットサービスやメガベンチャーではなく、もはや「インフラ」を背負っている企業といっても過言ではないのかなと。そういった社会的責任も強く感じています。
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本記事は、EnterpriseZineが定期で発刊している特集号『EnterpriseZine PRESS 電子版 2026 Winter』の収録記事となります。本記事の他にも、AI時代を生きる財務リーダーおよび財務部門の方のための特別インタビュー記事を2本収録しております(全3本)。
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名須川 楓太(編集部)(ナスカワ フウタ)
サイバーセキュリティとAI(人工知能)関連を中心に、国内外の最新技術やルールメイキング動向を取材しているほか、DX推進や、企業財務・IRなどのコーポレート領域でも情報を発信。武蔵大学 経済学部 経済学科 卒業。
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