クロスコンパスは、「誰もがAIを活用できる社会へ」というビジョンのもと、AI開発に必要な「学習済みニューラルネットワーク」「ニューラルネットワークテンプレート」「知能モジュール(処理フロー)」「学習用データ」などを作成・蓄積・利用・流通させるためのプラットフォーム「Intelligence eXchange(IX)」をベースにした製造業向け人工知能の統合開発環境「M-IX」を6月にリリースし、製造業の現場への導入が開始されている。
クラウディアンは、クラウドストレージサービス、エンタープライズITにおけるアプリケーション、IoT、AI、ビッグデータ分析、映像・画像等に使われる大量データを経済的に、安全に保存するスケールアウト型オブジェクトストレージ製品「HYPERSTORE」を開発提供している。
また、この「HYPERSTORE」に保存する大量データを使い開発されたAIをエッジコンピューティング環境で経済的に高速処理するためのGPU搭載、カメラ接続、LTE/Wi-Fi通信機能付のAI実行用小型装置「AI Box」を独自開発している。
最近増えている製造業の工場や研究開発等のAI開発現場においては、機密保持のためインターネットから隔離されていることが多い。そして、クラウド事業者が提供するAIサービスを利用したり、AI学習用データをクラウドに保管したりしないのが一般的だという。
一方でAI学習用に収集・蓄積するデータの規模は、従来型のストレージ装置が想定してきた適正量を超え始めていて、クラウドと同様のストレージのアーキテクチャを使い、大量データを経済的に、効率的に、かつ信頼性高く保存でき、物理的な装置の制約がなく、APIで大量のデータを操作し、AI学習に最適なデータマネジメントができる「HYPERSTORE」のようなストレージ基盤が必要となっているとしている。
今回の合意により、クロスコンパスとクラウディアンは、「M-IX」と「HYPERSTORE」、および「AI Box」を連携させた工場向け異常検知ソリューションの本格的な検討を開始する。これにより、特に機密情報を扱う製造業等の現場等における最適なAI開発基盤として広く普及することを期待しているという。