セキュリティのNFVでは70%超が導入に前向きな姿勢
発表によると、企業がSDNを導入する目的として、セキュリティ対策が浮上していることが明らかになった。SDNを導入したまたは導入予定のある回答者の内、約17%がマルウェア、DDoS(Distributed Denial of Service attack)などのセキュリティ対策にSDN技術を活用すると回答している。
これは、物理ネットワークの統合に続いて、2番目に多い導入目的になっている。企業のセキュリティ対策への意識が高まる中で、ネットワーク経路を制御するSDNの特性が、外部/内部脅威対策の有効な手段として認知されつつあり、SDN活用の最も有望なユースケースの1つであるとIDCではみている。
また、NFVの導入についても、前向きであることが分かった。仮想アプライアンスやエンタープライズNFVの導入について、「すでに導入済み」「導入の予定」「導入の方向で検討中」の回答を合わせた割合は、仮想ルーターで約65%、セキュリティでは70%超と回答者の多くが前向きな姿勢を示している。また、エンタープライズNFVに対する企業の期待は、NFVの特性であるオンデマンド性とその効果であるリソースの有効活用、導入/撤収の迅速性であることも明らかになっている。
導入を検討するSDNベンダーとSDNベンダーとしての認知度の相関は高い
調査では、SDNベンダー/ブランドの企業ネットワーク管理者における認知度についても調査している。それによると、SDNと聞いて最初に思い浮かぶ第一想起率(純粋想起率)が最も高いのはNECで、企業のネットワーク管理者のマインドシェアが高いSDNベンダーであることが分かった。SDNの市場黎明期から、いち早く製品を市場投入し、SDN技術を活用することによるネットワークの変革を市場に積極的に訴求してきた成果であるとIDCは考えている。そのほかには、富士通、NTTコミュニケーションズ、シスコシステムズも高い認知度を得ているSDNベンダー/ブランドと言える。
さらに、今後導入を検討するSDNベンダーと、SDNベンダーとしての認知度の相関は高いということも明らかになっている。「企業がSDNソリューションの導入を検討する際に、その候補に入るためには、認知度の高さは必要条件の1つである。SDNソリューションベンダーは、単なる知名度ではなく、導入事例とその効果といった具体的な訴求方法で、SDNソリューションの有効性をいっそう示す必要がある」とIDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は述べている。
今回の発表は、IDCが発行した「2017年 国内ネットワーク仮想化市場 ユーザー調査」にその詳細が報告されている。レポートでは、企業のSDNやNFVに関する技術、サービスの導入状況や課題に加えて、Network Disaggregationの企業における展開可能性について分析している。また、「IDC Survey Spotlight:2017年 国内ネットワーク仮想化市場 ユーザー調査」では、SDNベンダー/ブランドに関するネットワーク管理者のマインドシェアについて分析している。