日立製作所(以下、日立)は、GlobalLogicの買収(以下、本買収)を決定した。買収は、Hitachi Global Digital Holdings Corporation(以下、HGDH)およびその子会社であるSPCならびに、GlobalLogicの親会社であるGlobalLogic Worldwide Holdings間の最終契約に基づき、規制当局の承認等を前提として2021年7月末までに完了する予定だという。
米国・シリコンバレーに本社を置くGlobalLogicは、急成長を続けるデジタルエンジニアリングサービス市場のリーディングカンパニー。世界14か国に約2万人以上の従業員を擁し、世界各地にデザインスタジオやソフトウェアエンジニアリングセンターを展開している。
日立は、本買収を通じて、GlobalLogicの先進的なデジタルエンジニアリングのケイパビリティと大手テック企業をはじめとする顧客基盤を獲得し、同社のデジタルインフラ/データマネジメント/デジタルソリューション事業を担う米国子会社であるHitachi Vantara LLC(以下、日立ヴァンタラ)がグローバル展開をリードする「Lumada」のデジタルポートフォリオを強化するという。
これにより、日立のITエネルギー、インダストリー、モビリティ、ライフの5セクター並びにオートモティブシステム事業(日立 Astemo)とのシナジーを創出し、鉄道、エネルギー、ヘルスケアなどの先進的な社会インフラのデジタルトランスフォーメーションを世界規模で加速させるとしている。
現在、「2021 中期経営計画」においては、ITセクターとして1兆円規模の成長投資を実施する戦略のもと、日立ヴァンタラを中心にデジタル製品、ソリューション、パートナーシップ、フロント・デリバリー力など、デジタル分野に関するケイパビリティを強化。今後GlobalLogicは、こうした日立のLumadaソリューション・サービスのポートフォリオ成長のエンジンとして、不可欠な役割を担っていくという。
日立の執行役社長兼CEOである東原敏昭氏は、「今回のGlobalLogicの買収は、日立がLumadaのソリューション・サービス展開を拡大し、お客様にデジタルトランスフォーメーションによる価値を提供し、Lumada事業をグローバルに成長させるための、エキサイティングかつ新しい機会を生み出すものです。GlobalLogicとのシナジーにより、GlobalLogicのトップクラスのエクスペリエンスデザイン、イノベーション技術と日立のIT×OT×プロダクトに関するノウハウを融合させ、世界の社会インフラのデジタルトランスフォーメーションをリードするイノベーターへの飛躍をめざします」と述べている。
【関連記事】
・日立、富士通、東京大学、早稲田大学が無線周波数利用効率を向上する技術を開発
・日立、オムロンとの株式譲渡契約締結で日立オムロンターミナルソリューションズを完全子会社化
・日立とJR九州、AIを活用した運転整理自動化を目指す