IBMは、17日(現地時間)、モバイルコミュニケーションの研究に今後5年間で1億ドルを投資する計画があると発表した。IBM研究所は、インターネットへの接続手段として、PC以外の携帯機器を使用して、企業の業務、取引、エンターテインメントといった分野で新しい技術やサービスを開発していくとしている。
重点的に取り組む分野は、エンタープライズ分野、新興市場におけるモビリティ、そしてエンドユーザー向けのモバイル体験となっている。サービス開発にあたっては、セキュリティ、ユーザーインターフェイス向上などにも集中していく考えだ。
IBMでは、携帯機器への取り組みをFOAK(First-of-a-Kind)プログラムの一環として位置付けている。その例として、「BlueStar」と呼ばれる技術を応用した保険申請プロセスの自動化、携帯機器向けのアプリケーションサービスをのパイロットプログラムを行っている。このパイロットプログラムは、各端末のGPS情報やユーザーのスケジュール情報を中央管理することで、適切な査定員の配置や保険に必要な諸データを現場からやりとりできるものだ。
また、新興市場においては、インフラ整備の問題から有線より無線や携帯電話網の整備が進んでいることからも、携帯機器への取り組みを強化したいとしている。