ガートナージャパン(Gartner)は、2026年の日本におけるクラウドとAIのハイプ・サイクルを発表した。31の先端的なクラウドとAIのテクノロジやイノベーションが取り上げられている。
2026年版の同ハイプ・サイクルでは、フロンティアAI、FDE、エージェント型AI、フィジカルAI、クラウド・レジリエンスの5項目が「過度な期待」のピーク期に位置付けられている(図1参照)。
全般的にAI分野は、ベンダーによる投資が非常に活発であり、ユーザー企業の関心や実践も急速に高まっていることから、多くの技術が比較的短期間で成熟していくとGartnerはみているとのこと。一方で、エージェント型AIを中心とした市場は、今後も急速な進化が続く予測だという。
フロンティアAI
現在、OpenAI、Anthropic、Google、SpaceXAIなどの主要ベンダーが、より高度な推論能力やAIエージェント機能を備えたフロンティアAIの開発競争を加速している。その性能向上はソフトウェア開発、研究開発、業務自動化、科学技術計算など幅広い分野の変革を促している。
フロンティアAIを戦略的に利用する企業は、新たな競争優位を獲得できる一方、特定ベンダーへの依存や、地政学的要因による提供制限・価格変動・法規制の影響を受けるリスクも高まるという。そのため、性能だけでなく、マルチAIモデル戦略、ソブリンAI、データ主権を含めた総合的なAI戦略が競争力を左右するとしている。
クラウドはAI駆動型クラウドへと進化
クラウドは企業にとって不可欠な基盤になっていると同時に、AIとクラウドは相互に進化し、クラウドはAIを利用する基盤から、AIを中核として設計・運用される「AI駆動型クラウド」へと進化している。AI駆動型クラウドへのパラダイムシフトは、クラウドの役割だけでなく、企業のIT戦略、ビジネス戦略、競争環境そのものを変えつつあるという。
クラウド戦略は人材戦略でもある
AI駆動型クラウドへの転換は、テクノロジを導入するだけでは実現できないとのこと。経営層から現場まで、AIやクラウド、プラットフォーム・エンジニアリングに関する知識やケイパビリティを継続的に高めることが不可欠だとしている。
ユーザー企業は、個々の製品やベンダーだけを見るのではなく、AIエージェント・プラットフォーム、AI駆動型クラウド、標準化、オープンエコシステムなどの市場全体の変化を継続的にウォッチする必要があるという。その上で、自社のアーキテクチャ、パートナー戦略、投資タイミングを柔軟に見直し、変化を競争優位へと転換していくことが重要とのことだ。
【関連記事】
・コムチュア、Dataiku Japanとパートナー契約 AI活用基盤の導入/FDEによる伴走支援など
・日立、社会インフラでフィジカルAIを安全に運用するためのガードレール技術を開発
・NTTPC、フィジカルAI開発支援のため「占有環境」でGPUリソースを提供へ
この記事は参考になりましたか?
- 関連リンク
- この記事の著者
-
EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
「EnterpriseZine」(エンタープライズジン)は、翔泳社が運営する企業のIT活用とビジネス成長を支援するITリーダー向け専門メディアです。データテクノロジー/情報セキュリティの最新動向を中心に、企業ITに関する多様な情報をお届けしています。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
