2015年の国内システム管理ソフトウェア市場は前年比4.9%増で3,000億円を突破
国内システム管理ソフトウェア市場は、2015年に2014年(4.2%)を上回る前年比成長率を達成し、3,000億円を突破した。仮想化されたシステム環境に対するモニタリングや構成管理の需要の増加によって、ソフトウェアの導入が増えている。
また、大手企業やデータセンターサービス事業者がプライベートクラウドの構築に伴い、ソフトウェアによって運用プロセスの自動化を実施することが増えている。業種別の動向としては、官公庁や自治体向けの売上が増加したベンダーが多かったことが特徴として挙げられる。
日立製作所がシェア1位を堅持、ヴイエムウェアが急成長で存在感を高める
2015年のベンダー別の売上額シェアでは、日立製作所が首位を堅持した。2位に富士通、3位にNECと続き、上位3社で65%以上のシェアがある。さらに4位にIBM、5位にマイクロソフトが続いている。
上位5社の中では、マイクロソフトだけが5%以上の前年比成長率を達成した。そこに、ヴイエムウェアが50%以上の前年比成長率を達成し、5位圏内に迫ってきている。ヴイエムウェアは仮想化ソフトウェアとシステム管理ソフトウェアの統合ソリューションの販売を強化しており、システム管理市場における存在感を高めている。
多様化が進むシステム環境を一元的に管理できるソリューションのニーズが高まる
2016年の国内システム管理ソフトウェア市場は前年比4.9%増、2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は4.6%とIDCでは予測している。2016年以降も、仮想環境のシステム管理最適化やプライベートクラウドにおける運用自動化やITサービス管理に対して、システム管理ソフトウェアの投資が続いていくとみている。
また、オンプレミスシステムだけではなく、IaaS(Infrastructure as a Service)のようなクラウドサービス上で構築されるシステムに対する運用管理のニーズが増加してきており、新たな市場機会になるとIDCではみている。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷光浩氏は、「これから、ますますシステム環境の多様化が進んでいく中で、それらを一元的に管理できる新たなソリューションのニーズが高まっていくと考えられる。ベンダーは、SaaS(Software as a Service)型のシステム管理やアナリティクスを活用したモニタリングなど、新たなシステム管理ソリューションを積極的に取り入れ、ユーザーのシステム管理の環境とニーズの変化に追従していくことが重要である」と述べている。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内システム管理/ネットワークソフトウェア市場シェア、2015年:仮想化ベンダーのシェア拡大」と「国内システム管理/ネットワークソフトウェア市場予測、2016年~2020年」にその詳細が報告されている。