明治安田生命保険(以下、明治安田生命)は、日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)と、明治安田生命のITシステムの開発と運用プロセスの効率化および高品質化を目指し、日本IBMが提唱する「IT変革のためのAIソリューション」を活用した2種類の実証実験を行った。
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同実証実験で両社は、ITシステムの開発と運用プロセスの効率化および高品質化を目指し、現行の状況を分析しながら、生成AIの活用対象を検討。その結果、両社の本年度の取り組みとして、「一連の開発工程の効率化の検証」「各工程のトレーサビリティー・チェックの検証」の2種類の実証実験を行ったとしている。
- 一連の開発工程の効率化の検証:IT変革のためのAIソリューションの「コード生成のためのAI」と「テスト自動化のためのAI」を活用し、メインフレーム開発の「内部設計、コーディング、単体テスト」の作業項目において、単体検証ではなく、一連の作業に対して生成AIを活用する検証を実施。たとえば、個人保険システムや企業保険システムの実業務の成果物を利用し、生成AIで作成した内部設計書をインプットに、生成AIがコーディングやテストケースを作成するなど、各作業を連携させたとしている。その結果、内部設計、コーディング、単体テストの一連作業において、約25%の効率化を実現したという
- 各工程のトレーサビリティチェックの検証:コード生成のためのAIを活用し、要件定義から外部設計、テスト工程のトレーサビリティを確認する作業に対し、生成AIを活用する試行を実施。要件定義書や外部設計書、テストケースなどで利用されている保険業界特有の用語についても、補足情報を付加することで生成AIの精度向上を実現したという
両社は、2種類の実証実験の成果を受け、4月から実業務環境でのパイロット運用を開始すると述べている。
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