日立製作所は、グローバルの顧客のAIソリューションに対する需要の拡大に応えるため、NVIDIAのグローバルシステムインテグレーター(以下、GSI)プログラムに参画したと発表した。日立グループがGSIプログラムに参画したのは、日系企業として初めてのことだという。
同協業により、日立は次のような新たな取り組みを開始するとのことだ。
AIトランスフォーメーション加速に向けた事業計画の立案・推進
日立は、NVIDIAと連携し、NVIDIAの製品やソリューションのロードマップをもとに、ターゲット市場であるインダストリアルAI市場向けの共同の事業計画、成長戦略を確立するという。また、日立はソリューション開発のプラットフォームに「NVIDIA AI Enterprise」「NVIDIA Omniverse」なども活用し、AIのユースケースを創出するとしている。
たとえば、日立ビルシステムにおいては、エレベーターなどのビル設備のメンテナンス作業における効率的な安全管理の実現に向けて、生成AI活用を推進していくという。「NVIDIA AI Blueprint for Video Search and Summarization」(VSS)を活用して、マニュアルや熟練エンジニアの作業手順などを学習させるとともに、現場のエンジニアのウェアラブルカメラの映像をリアルタイムに分析し、エンジニアに対してガイドやアラートを出すことで、作業の効率性と安全性を同時に高め、より働きやすい作業環境の実現を目指すとしている。日立では今後、これらの取り組みをもとに、顧客へのソリューション提供も検討していくとのことだ。
Go-to-marketに向けた共同施策
日立は、NVIDIAの製品やソリューション、マーケティングプログラム、トレーニング、ウェビナーに関する最新のノウハウを活用しながら、NVIDIAとともに顧客向けの共同Go-to-marketイニシアチブを開発・実行していくという。さらに日立は、グローバルカンファレンスである「NVIDIA GTC」に参加し、顧客企業の成功事例や新しいソリューション・技術を共有していくとしている。
トレーニングと人材育成
日立は、高度な生成AIスキルを持つ「GenAI Professional」を5万人以上確保するため育成を推進しているという。その一環として、NVIDIAが提供する「DGX Cloud」「NVIDIA AI」「NVIDIA Omniverse」などの技術における実践的な専門知識を深めるためのトレーニングプログラムを組み込み、OTとAIの専門家を育成することで、インダストリアルAI市場をリードする人材基盤を強化するとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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