導入時の選択肢の一つとしてのアプライアンス
一方、MPPデータベース製品はハードウェアとソフトウェアが一体となったアプライアンスで提供される形態が一般的です。アプライアンス製品のメリットとしては次のようなことが挙げられます。
- 初めからハードウェアとソフトウェアが構成されているため、導入すればすぐに使用可能になる
- 製品ベンダーによるシステムテストやチューニングを実施済みの最適化された構成のため、導入時の作業なしで最大限の性能を享受できる
- 製品の保守・サポート窓口が1つになるため、障害切り分け等の作業の負担を減らすことができる
Greenplum DBに関しても、このようなメリットを享受することのできるGreenplum Data Computing Appliance (Greenplum DCA)というアプライアンス製品が提供されています。他社アプライアンス製品と異なるのは、Greenplum DCAのハードウェアはすべて汎用のサーバ、パーツ、スイッチ等のコンポーネントで構成されている点です。汎用ハードウェアを使用するということは規模のメリットを生かせるということであり、最新の技術が反映されたコンポーネントを活用することにより高い価格性能比を実現しています。
Greenplum DCAは用途やシステム要件によりモジュールを組み替える形で柔軟に構成することが可能です。
ユーザーは、データセンターにある既存のサーバや調達しやすいサーバを組み合わせて、その上にGreenplum DBをソフトウェアで導入することもできますし、迅速な導入や保守の一元化が重要であればアプライアンスでの導入が有利です。既存環境やシステム要件に合わせてどちらを選ぶかを決定していけばよいでしょう。
次回は、近年大きな話題になることの多い分散処理プラットフォームHadoopとの連携機能を、データベース/Hadoopのアーキテクチャや用途の違いの観点を含めて解説します。