出荷台数の約99%を占めるx86サーバーが市場を牽引
2017年第3四半期の国内サーバー市場は、2017年第2四半期に続き、2四半期連続で、出荷額が前年同期比でプラス成長となった。なお、前年同期比で2桁のプラス成長になるのは、2015年第2四半期以来、9四半期ぶり。メインフレームが前年同期比で3桁のプラス成長、x86サーバーが前年同期比で2桁のプラス成長となり、市場全体を牽引した。出荷台数も、前年同期比でプラス成長となった。全サーバー出荷台数の約99%を占めるx86サーバーの出荷台数がプラス成長となったことが要因だ。
メインフレームは、出荷額が前年同期比105.5%増の184億円だった。今期は金融や製造向けの大型案件があり3桁のプラス成長に貢献した。x86サーバーは、出荷額が前年同期比11.3%増の924億円だった。クラウドサービスベンダーをはじめ、通信、製造、官公庁、文教向けに大口案件があったことなどが2桁のプラス成長の要因となっている。なお、出荷台数は、前年同期比1.4%増の13万2,500台。
その他のサーバーは、出荷額が前年同期比10.3%減の88億円、一方、出荷台数は、19.8%増の1,407台だった。前年同期にあった、単価の高いビジネスサーバーの大型案件の反動で、平均単価が低下した。そのため、出荷台数はプラス成長したが、出荷額はマイナス成長になった。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は「国内サーバー市場は、2四半期連続でプラス成長となった。クラウドサービスベンダー向けを中心に出荷が好調であったことに加えて、企業の更新需要を中心としたトラディショナルIT(クラウドではない)向けの出荷も底堅かった。しかし、トラディショナルITは、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の進展によるクラウドシフトで、今後、マイナス成長になるとIDCはみている。ITベンダーは、既存顧客のニーズを的確に捉え、収益性が相対的に高いトラディショナルITにおけるビジネスの最大化を図るとともに、成長性が高いDX実現に向けた案件で新規ビジネスの開拓を行っていく必要がある」と述べている。
ベンダー別では富士通、NEC、日本ヒューレット・パッカード、デル、IBMの順
ベンダー別出荷額では、富士通が首位を獲得した。メインフレームは、金融向けの大型案件があり、3桁のプラス成長となった。x86サーバーも文教向けの大口案件などがありプラス成長となった。2位は、NEC。x86サーバーは、マイナス成長だったが、メインフレームは、製造と官公庁向けの大型案件があり3桁のプラス成長。
3位は、日本ヒューレット・パッカード(HPE)。x86サーバーは、通信、官公庁、製造向けの大口案件などがあり、2桁のプラス成長となった。4位は、デル。ネット企業向けの大口案件があり、2桁のプラス成長となった。5位はIBM。メインフレームは、製造と金融向けの大型案件があり、3桁のプラス成長だった。
今回の発表は、IDCが発行した「国内サーバー市場 2017年~2021年の予測:2017年第3四半期」にその詳細が掲載されている。