法人市場ではWindows 10への移行が本格化
2018年通年では、法人市場は前年比17.5%増で789万台、家庭市場は同比6.4%減の402万台、全体で同比8.2%増、1,191万台となった。カンパニーシェアは、レノボ/NEC/富士通グループが2017年より1.3ポイントのシェアを伸ばし42.2%で1位だった。2位と3位は拮抗しているが、日本HPが2位で14.6%、Dellが13.6%で3位となっている。
法人市場では、Windows XPの延長サポート終了に向けて2013年から2014年前半に大量に購入されたPCの買い替えが起こっていること、また、2020年1月に予定されているWindows 7の延長サポート終了を見越したWindows 10への移行が本格化していることから、出荷が非常に活発になっている。
インテルCPUの供給問題が国内ベンダーを中心に出荷の押し下げ要因になったが、それほど影響を受けていないベンダーの製品への切り替えや比較的潤沢なCPU搭載モデルの提供を強化するなどして、法人市場全体への影響は比較的小さかったとIDCではみている。
家庭市場では、5四半期ぶりにプラス成長となった。プラス成長の背景には、12月に実施されたPayPayの総額100億円のペイバックキャンペーンが、高額商品の拡販の契機付けとなりPCも恩恵を被ったこと、17年第4四半期の前年同期比が6.8%減と低調であったことなどが考えられる。
カンパニー別ではレノボ/NEC/富士通グループが43.1%のシェアでトップ
2018年第4四半期のカンパニー別の出荷数上位5社は以下の通り。
レノボ/NEC/富士通グループは、グループ全体で前年同期比20.8%増。法人市場、家庭市場共に好調で、法人市場が同比28.4%増、家庭市場が6.1%増だった。グル―プ内の各ブランド別にみると、レノボの法人市場よび家庭市場における伸びが特に目立っている。
富士通は、同グループ内で出荷数規模が最大のブランド。法人市場で前年同期比14.9%増と、市場平均を大きく下回り、インテルCPUの供給問題の影響を受ける結果となった。家庭市場では同比1.5%減だった。NECは、CPU供給不足が徐々に緩和しており、法人市場が同比28.3%増と復調に向かっている。家庭市場は4.6%増だった。レノボは、前四半期に引き続き好調で、法人市場は前年同期比50.6%増と大躍進した。家庭市場も同比21.1%増と好調。
デルは、法人市場、家庭市場共に好調で、出荷数シェアで2位に浮上しました。法人市場の前年同期比は55.9%増、家庭市場は同比29.0%増だった。
日本HPも、法人市場、家庭市場共に順調で、法人市場の前年同期比は36.5%増、家庭市場は同比32.5%増。
シャープ(東芝)は、CPU供給不足の影響で、前年同期比が17.6%増と市場平均よりかなり下回った。家庭市場は同比28.6%減となり8四半期連続で二桁のマイナス成長を記録する結果となった。
アップルは、法人市場と家庭市場を合わせてシェアをみると、シャープ(東芝)の背中が見えてきている。法人市場で同比2.7%減だったが、新製品等が家庭市場向け出荷を牽引し、同比27.9%増と好調だった。
IDC Japan PC, 携帯端末&クライアントソリューション グループマネージャーの市川和子氏は、「日本の法人市場はWindowsのサポートポリシーに大きく左右されるが、Windows 7の延長サポート終了に伴うモーメンタムは、Windows XPのときに比べて前倒しされており、2019年第1四半期が一番の山場になるとみている」とコメントしている。
今回の発表は、IDCが発行する「Worldwide Quarterly Personal Computing Device Tracker」にその詳細が報告されている。このデータ製品では、2016年第1四半期~2018年第4四半期の国内PC市場実績値が掲載されている。