アイ・ティ・アール(ITR)は、国内のERPの提供形態別とパッケージ製品の運用形態別での市場規模推移および予測を、4月23日に発表した。
国内ERP市場の2018年度の売上金額は1004億円、前年度比9.1%増と堅調な伸びとなっており、2019年度も同13.4%増と前年度を上回る成長を見込んでいる。
老朽化した既存システムのリニューアルや、導入済み製品の機能拡張・適用範囲の拡大など、今後もERPに対する投資は安定的な増加が見込まれることから、同市場のCAGR(2018~2023年度)は9.5%と予測する。
同市場を提供形態別(パッケージ、SaaS)で見ると、パッケージ市場のシェアは年々減少傾向にある一方で、SaaS市場が急拡大している。2018年度のSaaS市場の売上金額は前年度比38.9%増の264億円、2019年度も同36.4%増と引き続き大幅な伸びが予想される。主要ベンダーがSaaSの販売を強化しており、既存のパッケージ導入企業も徐々にSaaSに乗り換えていることから、2022年度にはSaaS市場がパッケージ市場を上回る見込みとなっている。
ユーザー企業の運用形態別では、オンプレミスでの運用が年々減少しており、自社のIaaSとセットで販売するベンダーが増えつつあることもあわせて、ERPパッケージの稼働環境としてIaaSを選択する企業が増えつつある。IaaSは2018年度まではAWSでの導入が主体だったが、2019年度以降はAWS以外のベンダーが提供するIaaSでの導入も増加傾向となっている。