米SAS Institute(SAS)と国際応用システム分析研究所(IIASA)は4月21日(現地時間)、森林破壊調査への協力を一般市民に広く呼びかけた。この募集は2020年のアースデイに際して発表されたもので、市民が画像解析のサポートを行い、その判断を学習するための次世代AIが構築された。
同プロジェクトにあたって、SASとIIASAは一般市民の集団的知性をオンラインで収集するためのクラウドソーシング・アプリを共同で立ち上げた。そこから中学生、アーティスト、エンジニア、プロのデータサイエンティストといった、さまざまな市民からボランティアを募集。熱帯雨林の手つかずの土地や、人の手による開発によって影響を受けた可能性のある土地などの画像を見て、報告してもらう取り組みをおこなう。
ボランティアを募集した理由は、人間が画像を確認すれば、十分なトレーニングを受けていないAIでは見分けることが難しい、(人間の影響による)道路と(人間の影響ではない)河川を簡単に見分けられるため。また、学習途中のAIでは見分けられない、人間の判断力が必要な区域をアプリに提示することで、ボランティアによる画像認識の作業効率が高められる。これにより、重要な地球環境の変化をモニタリングして測定することを目的としたさまざまなプロジェクトにおいて、人間の注意力と洞察を最大限に活用できる。
今後も、同プラットフォームを拡大して、クラウドソーシングがより大きく貢献可能な他の環境問題にも取り組んでいく。