ネットワークインテグレーター大手のネットワンシステムズは、2009年7月1日、大手町(東京)で2009年度の事業戦略説明会を開催した。説明会では、同社代表取締役社長の吉野孝行氏が2008年度の結果と総括および中長期的な市場展望および2009年度の事業戦略などについて説明した。
吉野氏は、昨年度の事業戦略として「ユニファイドコミュニケーション(UC)」や「仮想化」などを注力してきたが、専用検証施設の設置、デモルームの活用によって、UCの案件数が約4倍に増加したと語った。またプラットフォーム関連事業(仮想化データセンターの構築など)の売り上げは、前年度比83%増、仮想化関連に限れば前年度比4倍に増加と、非常に好調だ。
同社の中長期的なクラウドへの取り組みとして、今後もネットワーク技術と仮想化技術を活用したクラウドコンピューティングに注力。吉野氏は「日本企業はクラウドコンピューティングの活用によって、独自の新たなサービスモデルの創造が必要」と語る。同社では、ID管理、権限設定、課金、統合管理機能を持つ新プラットフォーム層「XaaSポータル」にてユーザー情報管理を行い、ユーザーの要望に応じるクラウドサービス・パートナーサービスを一括して提供していく構えだ。さらに、今後もクラウド環境の構築に必要なネットワーク技術と仮想化技術の技術者や資格取得を促進していく。
2009年度の同社の事業戦略としては「ネットワーク事業における差別化」「サービス事業の拡充」「ユニファイド・コミュニケーション事業の推進」「データセンターおよび仮想化案件の獲得」を事業戦略の柱としていく。吉野氏は、こうした事業戦略と組織体制の変更などバリューチェーンを再構築していくことで、クラウドを活用した次世代サービスを創造していくことを強調した。