オラクルは、「Oracle AI Agent Studio」 を発表した。Oracle Fusion Applications 向けに、企業横断のAIエージェントおよび複数ステップのAIエージェントの作成、拡張、展開および管理のための包括的プラットフォームになるという。
Oracle AI Agent Studioは、カスタマイズされたAIエージェントを簡単に作成できるツールを提供するとしている。追加費用なしで、高度なテストや強固な妥当性確認、組み込み型セキュリティを始め、使いやすいツールを提供し、Oracle Fusion Applicationsの顧客やパートナー企業によるAIエージェントの開発や運用管理を支援するとのことだ。
同プラットフォームには、オラクルのAIエージェント開発と同様の技術が活用されており、ユーザーはあらかじめ組み込まれたエージェントを拡張し、新たなエージェントを開発することが可能で、それを全社的に展開し、管理できるという。
Oracle AI Agent Studioで設計されたAIエージェントはOracle Fusion Applicationsとシームレスに統合でき、サードパーティのエージェントと連携させて複雑なマルチステッププロセスを完結させることが可能だとしている。具体的には、以下の機能が含まれている。
- エージェント・テンプレート・ライブラリ:ユーザーはあらかじめ組み込まれたテンプレートと自然言語プロンプトを組み合わせて、独自のAIエージェントを作成できる。ユーザーは事前設定済みテンプレートのライブラリを活用して、見積、返品処理、シフト・スケジューリングなど、ビジネスの様々なシナリオに対応できる
- 複数ステップのAIエージェント・オーケストレーション:ユーザーは、事前設定済みのテンプレートを通じて、複雑なタスクで人と並行して機能するよう、複数のエージェントを設定できる。管理を強化するために、ユーザーはマルチステップ・プロセスを通じて、チェック・ポイントや承認機能を追加可能
- エージェントの拡張性:ユーザーは、文書やツール、プロンプトを追加したり、APIを利用したりすることで、Oracle Fusion Applicationsにあらかじめ搭載された50以上のAIエージェントを修正・拡張し、特定の業界ニーズやビジネスニーズに対応できる
- LLMの選択:ユーザーは様々な大規模言語モデル(LLM)にアクセスして、特定のビジネスニーズを満たすことが可能。LlamaやCohereなど、Oracle Fusion Applications向けに最適化されたLLMを選択したり、専門的なユースケース向けに外部の別の特定業界向けLLMにプラグインしたりできる
- Fusionとのネイティブな統合:複雑なカスタマイズなしに、Oracle Fusion ApplicationsのAPIやナレッジ・ストア、定義済みツールへの直接アクセスを提供することで、ユーザーはエンタープライズ対応のエージェントを迅速に構築できる。この統合は、企業特有のビジネスロジックを、自動的にAIを利用したワークフロー内に保存する
- サードパーティ・システムとの統合:ユーザーは、すぐ次のステップとその先のプロセスの両方をサポートするAPIを通じて、Oracle Fusion ApplicationsのAIエージェントとサードパーティのエージェントとをつなぐことが可能
- 信頼とセキュリティのフレームワーク:Oracle AI Agent Studio内のエージェントに、常にOracle Fusion Applicationsの最新のセキュリティ設定やポリシー、アクセス制御を適用するよう要求することで、セキュアなフレームワークで機能するエージェントを構築し、導入することが可能。これにより、ユーザーはセキュリティ設定を再構成したり、新たな契約を結んだりすることなく、AIエージェントを構築することもできる
- バリデーションおよびテストツール:内蔵された妥当性確認ツールやテストツールを利用して、AIのアウトプットの信頼性や再現性、説明可能性、セキュリティ、パフォーマンスを確保するなど、ユーザーはAI主導のワークフローにおける結果を検証・監視することで、信頼性や正確性の維持をサポート
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