Cognitionは米国時間2026年10月15日、本番環境で発生するアラートやバグ報告をAIソフトウェアエンジニア「Devin」が自動で調査し、開発チームによる本番インシデントの原因究明と解決を支援する「Devin Oncall」の一般提供を開始した。
Devin Oncallは、アラートやバグ報告を自動で診断する機能と、進行中のインシデント対応を支援する機能で構成されるという。チャット、オブザーバビリティ、チケット管理の各ツールと連携し、調査から修正までを担う。
AIモデルの性能が向上した現在、オンコール対応には適切なコンテキスト、ツール、ワークフローを備えたコーディングエージェントが必要だと同社は述べる。加えて、クラウド上で動作し、対象のシステムにアクセスでき、チーム間でコンテキストを共有できることも求められるという。こうした考えに基づき、Devinを基盤とするDevin Oncallを開発。Devinはモデル非依存の設計で、オンコールのタスクに応じて最適なモデルを選択でき、より高性能なモデルが利用可能になった際にも採用できるとのことだ。
1つ目の機能「Responders」は、アラートやバグ報告の流れを監視して問題を自動で診断する。過去に調査した問題を記憶することで、同じ問題に対する重複調査を防ぐ。「Alert Responders」と「Support + Bug Responders」の2種類があり、複雑なランブックを用意せずに利用できる。必要に応じて動作をカスタマイズすることも可能だ。
2つ目の機能「Incidents」では、インシデントごとに作成されるチャット(Slack/Teamsに対応)のチャンネルにDevinが参加し、エンジニアと並行して自律的に調査を進める。同時に、関係者がすぐに状況を把握できるよう、インシデントドキュメントをリアルタイムで更新する。エンジニアからの個別の質問には別のDevinが応答するため、全体の調査を中断せずに対応できるとのことだ。
調査の精度を確保する仕組みとして、メインのエージェントと並行して非同期に動作する「レビュー」エージェントも備えている。このエージェントは、直近の推論、ツールの呼び出し、その結果を点検する。相関関係と因果関係の混同、矛盾するテレメトリの見落とし、きっかけと根本原因の取り違えなどを確認し、早計な結論の導出を防ぐという。
また、3層のコンテキストによって、チームが使うほど精度が高まる設計とした。1層目は、Respondersごとの記憶(Per-Responder Memory)である。2層目は組織単位のスキル(Per-Org Skills)で、環境を定期的にインデックス化し、障害の影響範囲の算出など頻出するデバッグ作業のスキルを自動生成する。3層目は組織単位の記憶(Per-Org Memory)で、すべての調査結果から有用な情報を組織のナレッジとして蓄積する。導入初日から利用でき、同社のモニタリングでは、誤った診断の発生頻度が時間の経過とともに減少していることを確認したという。
コスト面では、Respondersが過去の調査を参照し、関連するアラートをまとめることで、重複する調査の約60%を省略する。これにより、通常の自動化処理と比べてコストを半分以上削減できるとしている。
性能面では、実際の本番障害をもとにしたSREベンチマーク「SREGym」の評価結果を公表した。同ベンチマークでは、稼働中のシステムにおける障害の根本原因を特定し、同一の実行過程で問題を緩和することが求められる。Devin Oncallは、SREGym-Lite(17の障害)でエンドツーエンド成功率100%を達成した。Claude Opus 5.5を使用した場合は、平均2分21秒の緩和時間で成功率100%を記録したという。
外部ツールとの連携では、SlackやMicrosoft Teamsに投稿されたバグや問題を、その場でトリアージする。Datadog、Grafana、New Relic、Dynatraceとは、発報したアラートを調査し、テレメトリをもとにインフラの問題を根本原因まで追跡。Sentryで検出したエラーは修正につなげる。JiraやLinearでは割り当てられたチケットを引き取り、プルリクエストまで作成する。ServiceNowとも連携するという。
国内で導入を検討する企業は、Cognition AI Japanが問い合わせを受け付けているとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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