「WAS V8.5.5」は、V8.5から提供を開始した軽量ランタイムのJava EE 6 Webプロファイルへの準拠、Webアプリケーション・サーバー上における大規模トランザクション処理を高速化する分散オブジェクト・キャッシュ機能の提供など、業務の特性に応じたWebアプリケーション実行環境の構築を支援する機能を強化したという。提供開始は、6月14日からの予定。
「WAS V8.5.5」で提供される「Liberty Profile」は、新たにJava EE 6のWebプロファイル（Webアプリケーションを開発するための基本仕様セット）へ準拠したという。
「Liberty Profile」は、アプリケーションの要件に応じて動的に機能を拡張することができ、さらにV8.5.5では、さまざまなソフトウェア同士が相互に連携するためのWebサービスやメッセージング機能を追加しているという。ユーザーが独自の機能を追加するためのインターフェースも提供しており、ランタイムのさらなる最適化を実現できるとしている。
また、「WAS V8.5.5」では、これまでは別製品として提供していた、分散オブジェクト・キャッシュ機能を実現するソフトウェア製品「IBM WebSphere eXtreme Scale」を同梱するという。
これにより、複数のメモリー間でアプリケーションのデータやビジネス・ロジックを動的に処理、分割、複製、管理する機能を提供し、大規模トランザクションの高速処理を実現するという。障害が発生した際には、トランザクションの整合性を保ちながら自動的にサーバーの切り替えを行うことができるため、可用性と信頼性の向上につながるとしている。
「WAS V8.5.5」は、利用環境や条件に応じた幅広いライセンス体系で提供するという。仮想化環境やミッションクリティカル環境向けなどに特化した機能を追加した上位エディション群や、小規模構成向けに低コストで提供するExpressエディションが用意されている。V8.5.5からは、軽量化された実行環境のみに特化したLiberty Coreエディションが追加されるという。
無償ダウンロードで提供する、デスクトップ環境でWebアプリケーション開発のためのランタイム「IBM WebSphere Application Server for Developers V8.5.5」と、開発ツール「WebSphere Application Server Developer Tools for Eclipse V8.5.5」については、「WAS V8.5.5」を実働環境で使っているユーザーに対し、IBM窓口サポートを新たに提供するという。
■「IBM WebSphere Application Server」の詳細
http://ibm.com/software/jp/websphere/was/
