2016年はソフトウェア市場、ITサービス市場が堅調だが全体ではマイナスに
国内IT市場を構成する国内ハードウェア市場、国内ITサービス市場、国内パッケージソフトウェア市場の2016年の市場規模と前年比成長率は、それぞれ6兆1,768億円・マイナス4.7%、5兆5,003億円・2.1%、2兆8,912億円・4.6%と予測している。国内IT市場に国内通信サービス市場を加えた、国内ICT市場の2016年の市場規模は25兆2,670億円、前年比成長率はマイナス0.6%と予測している。
2016年の国内IT市場は、ソフトウェア(パッケージソフトウェア)市場、ITサービス市場が堅調な伸びを示すものの、エンタープライズネットワーク機器を除くすべてのハードウェア製品市場がマイナス成長となるため、IT市場全体としては、前年比微減と予測する。
IT市場の2015~2020年の年間平均成長率は0.8%、ICT市場はマイナス0.3%
国内IT市場の2015~2020年の年間平均成長率(CAGR: Compound Annual Growth Rate)は0.8%、国内ICT市場のCAGRはマイナス0.3%と予測している。2020年の国内IT市場規模は15兆2,413億円、国内ICT市場規模は25兆37億円と予測している。
2020年は、東京オリンピック開催年であり、景気が上向く期待がもたれているにもかかわらず、同年の国内IT市場は、前年比1.0%減のマイナス成長を予測している。直接の原因は、2020年1月にWindows 7のサポート終了を迎えるため、2019年に更新需要増が予測されているPC市場が、その反動で大幅なマイナス成長となることだという。
しかし、これは同時に、経済が上向きであるにもかかわらず、現状のIT戦略の延長上ではPC市場のマイナス成長を上回る第3のプラットフォームに基づく戦略的なIT投資増が期待できないことを意味している。
IDC Japan ITスペンディング グループマネージャーの廣瀬弥生氏は、「ITサプライヤーは、国内市場において第3のプラットフォームを活用した戦略的IT投資を増加させるために、ITプロフェッショナル(ユーザー企業)に対し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していくべきである」と分析している。
今回の発表はIDCが発行したレポート「国内IT市場製品別予測、2016年~2020年:2015年第4半期の実績に基づく」にその詳細が報告されている。