市場全体で250万台、前年同期比1.2%減。ビジネス市場の2桁成長が寄与
2016年第2四半期(4月~6月)の国内クライアントPC出荷台数は、ビジネス市場が145万台、前年同期比10.7%増、家庭市場が104万台、同比14.1%減、計250万台、同比1.2%減となった。
家庭市場は、まだマイナス成長が続いているが、ビジネス市場の2桁成長が寄与し、ようやく前年同期並みの出荷台数に戻ってきた。ベンダー別に見ると、富士通、Dell、HP Inc.の出荷台数がプラス成長だったことが大きく貢献している。
上位5社のベンダーシェアでは、Dellが前年同期比29.5%増と出荷台数を大きく伸ばし、3位になった。上位5社の中でビジネス市場、家庭市場ともにプラス成長を遂げたのはDellと、HP Inc.のみ。また、前期(2016年第1四半期)3位であった東芝は、順位を落とし5位であった。
Dellが前年同期比29.5%増でシェア3位に浮上
NEC レノボ グループは、ビジネス市場で前年同期比15.6%増、家庭市場では同比20.7%減となり、全体では3.2%減。富士通は、ビジネス市場で前年同期比21.0%増、家庭市場では同比21.5%減となり、全体では1.6%増となった。
Dellは、ビジネス市場で前年同期比13.8%増、家庭市場では同比74.9%増となり、全体では29.5%増。特に家庭市場では、家電量販店向け出荷が順調に伸び、今期の高い成長率に貢献している。HP Inc.は、ビジネス市場で前年同期比10.1%増、家庭市場も同比10.6%増のプラス成長、全体では10.1%増となった。
東芝は、ビジネス市場で前年同期比10.4%増、家庭市場では同比18.3%減となり、全体では5.8%減であった。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション リサーチマネジャーの片山雅弘氏は、「ビジネス市場が今期好調だった要因には、2016年10月31日で販売終了予定のWindows 7搭載PCのLast buy(ディストリビューター等による一時的な買い込み)が寄与している。しかし、これは一時的なもので、企業の需要は、昨年並みになるとみている。一方、家庭市場は、いまだ回復の兆しは見られず低迷が続く」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行する「国内PC市場 2016年第2四半期の分析と2016年~2020年の予測」にその詳細が報告され、2016年第2四半期の国内PC市場実績と2016年~2020年の市場予測が掲載される。