エンタープライズな要求に応えられるConnected-RPAコンセプトを発表
そもそもRPA(Robotics Process Automation)という言葉を考案したのは、Blue Prismのパット・ギアリー氏だ。同氏は2008年にまだ社員が12名、顧客も5社しかいなかったBlue Prism社に、最高マーケティング責任者として入社。現在は、同社のチーフエバンジェリストを務めている。Blue Prismは、創業当時からRPAのビジネスが大きく成長している。昨年1年間だけでも、顧客は528社も増えているのだ。
ビジネス現場にオートメーションのソリューションを持ち込み新たな価値を提供する人たちを、Blue Prismでは「デジタルイノベーター」と呼んでいいる。多くの企業ではRPAを導入しデジタルイノベーターがデジタル変革を起こしているとはいえ、その多くは「デスクトップの自動化」であり、個人レベルのイノベーションにとどまっていることが問題だとギアリー氏は言う。
「RPAにはソリューションにより大きなギャップが生まれています。ローカルな環境で部分的な自動化を簡単に行うものと、IoTのような仕組みの中で自動化を実現するのとでは、大きな違いがあるのです」(ギアリー氏)
このギャップを埋めるためにBlue Prismでは、新たに「ConnectedーRPA」というコンセプトを発表した。これは企業のエンタープライズ用途の中で、RPAを活用してもらうためのもの。デスクトップの自動化とは異なるConnected-RPAのプラットフォームは、恒久的なプラットフォーム基盤であり、ITではなくビジネス部門が主導して活用できるものでなくてはならない。そしてビジネス主導のITの仕組みとして実装でき、その上でIT部門によってガバナンスとセキュリティをしっかりと管理できなければならない。さらに「デジタルイノベーターが、RPAから最新のAI、機械学習の技術に簡単にアクセスできなければなりません。そして、それらの技術を使うためにはコードなどを書かず簡単に利用できなければならないのです」(ギアリー氏)
これは、RPAのプラットフォームはビジネス的な俊敏性を持ち、エンタープライズレベルのセキュリティとガバナンス機能がなければならないと言うこと。その上でロボットには、高い効率性も求められる。Blue Prismでは高い効率性を実現するには、個々のデスクトップでロボットを動かすのではなく、サーバー型で複数のプロセスでロボットをシェアして利用できる仕組みが必要と考えている。
もう1つBlue PrismがConnected-RPAで重要だと言うのが、ロボットの利用状況の詳細なレポートが得られることだ。さらに改ざんできない「監査に耐えうるログ」を提供できる必要もある。監査対応のログ取得は、デスクトップ型のRPAでは実現できていないものが多いとギアリー氏は指摘する。