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Gen2クラウドインフラの上で動いていることがOracleにしかできないSaaSの強み

 Oracle OpenWorld 2019の3日目には、CTO ラリー・エリソン氏の2回目の基調講演が行われ同社のSaaSの優位性が語られた。SaaSも「Gen2」と呼ぶ第2世代のOracle Cloud Infrastructureの上で、アプリケーションが動いていることが他に対する優位性だ。

Oracle CTO ラリー・エリソン氏

Oracle CTO ラリー・エリソン氏

「Fusion AppsとNetSuiteを合わせれば、クラウドERPの世界では圧倒的なNo1です」とエリソン氏。これら2つのSaaSは最初からクラウドで動かすことを意識し設計、構築されたもので、2つのクラウドERPの顧客数は2万5000を越えている。また、HCM(Human Capital Management)クラウドの領域でもOracleはNo1だとエリソン氏。さらにカスタマー・エクスペリエンスのクラウド領域では、Salesforce.comに次いで2位のポジションにある。そして「Fusion Appsは、SAP S/4HANAよりも機能は遙かに多い」とエリソン氏は主張する。

Fusion Appとクラウド

Fusion Appとクラウド

SaaSのデータベースはOracle Exadataで顧客ごとに別々に割り当てられている

「OracleのSaaSを利用する多くの顧客が成功しています」と言うのは、アプリケーション製品開発担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのスティーブン・ミランダ氏だ。たとえばホテル事業を展開するヒルトンは、グローバルで40万人がOracleのHCMのアプリケーションを活用している。また自動車メーカーのフェラーリは、OracleのCX(Customer Experience)のアプリケーションを使い、顧客と新たな関係性を構築している。OracleのSaaSを利用して成功する鍵は、技術面では機械学習の活用があり会話型のUIとなるデジタルアシスタントやChat botなどもいち早く取り込んでいること。そしてアプリケーションの機能面の強化も継続的に行われていることもある。OracleのSaaSの現状と今後の戦略について、ミランダ氏に話を訊いた。

Oracle スティーブン・ミランダ氏

Oracle スティーブン・ミランダ氏

Q: Oracle SaaSのインフラは、どのような構成になっているのでしょうか。

ミランダ氏: 顧客のデータは、マルチテナント型でシェアはしていません。1つのデータベースに顧客のデータが混在することはないのです。顧客は別々の物理データベースを持っています。Oracleのデータベースは、高いセキュリティ性を持っています。マルチテナントにしデータが混在するようにしてしまうと、高いセキュリティ性が損なわれます。それを避けるには、アプリケーション側のコードを書き換えなければなりません。そうならないように、顧客ごとに別々のデータベースを割り当てています。データベースは個別ですが、データセンターはもちろんネットワークも共有型です。

SaaSのデータベースはOracle Exadataで動いています。規模の小さい顧客用のデータベースは、1台のExadataで60個ほど動かしています。規模の大きな顧客は、1台のExadataを専有する場合もあります。データベース以外のミドルウェアは、汎用的なハードウェアをスケールアウト型アーキテクチャで構成し運用しています。インフラの一部は共有しますが、プロセッサは共有しません。

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Gen2クラウドインフラで動くメリットを顧客は理解している

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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