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週刊DBオンライン 谷川耕一

あの女子高生AI「りんな」がMSから独立、新会社「rinna」で活動中!

rinna株式会社 陳 湛氏/坪井一菜氏に聞く


 2015年8月にマイクロソフトによりLINEに登場した、リアルな「女子高生」感が反映されたAIキャラクター「りんな」。女子高生のように会話ができるAI技術が、大きな話題となった。この自然な会話を続けることができるりんなの会話エンジンの技術を持って、2020年8月にマイクロソフトから独立し活動を始めたのがrinna株式会社だ。

りんなはより広い世界を求めてマイクロソフトから独立した

(左より)rinna株式会社 代表取締役社長&CEO 陳 湛氏/rinna株式会社 Chief Rinna Officer 坪井一菜氏

 「rinnaという言葉が一般名詞として広く知られるよう、会社名はあえて小文字表記にしました」と言うのは、rinna株式会社 代表取締役社長&CEOの陳 湛氏だ。rinnaのビジョンは、「すべての組織とすべての人にAIキャラクターを」というもの。1人が1つ以上のAIキャラクターを持つという世界観だ。日本ならば、1億以上のAIキャラクターが日常的に活動している世界を目指すこととなる。

 今や生活の様々なところに、AIが入り込んでいる。冷蔵庫などの家電にもAIが搭載されており、スマートスピーカーも当たり前の存在になった。とはいえ「冷蔵庫に入っているAIもスマートスピーカーのAIも、一見すると同じように見えますが、AIには様々なものがあり役割に応じカラーが異なります」と陳氏は言う。

 人類が登場して以来、言葉は人と人の間をつなぐツールとなっている。コミュニケーションツールとして、言葉はかなり良いツールだ。そして言葉の次に良いコミュニケーションツールが文字だ。文字を使えば「数千年後にも自分の気持ちを残せます」と陳氏。そして文字から書籍が生まれ、場所や時間を超え相互関係性を構築することができる。その上でさらにAIは、新たなコミュニケーションツールになる。「AIは人間対人間のリレーションシップを超えるものになります。AIではより多くの情報を扱えるので、人と人のつながりを拡張できるのです」と陳氏は語る。

 Deep Learningの技術が進化し、これまで実現できなかったことが可能になってきている。自然言語処理もDeep Learningで大きく進化したものの1つだ。りんなは、マイクロソフトの中で自然言語処理技術の進化とともに成長してきた。陳氏は「りんなの技術はもっと大きな成長が期待できるものです」と言う。

 しかしながらマイクロソフトのビジネスの中心はMicrosoft AzureやMicrosoft 365のような領域だ。マイクロソフトの中でりんなの開発をしていれば、Azureなりと連携することを常に意識しなければならない。マイクロソフトから離れることで「Azureなどのマイクロソフト製品やサービスだけでなく、より広い世界とエコシステムを作りたいと考えました」と陳氏は、りんなをマイクロソフトから独立させた理由を説明する。その上で独立により「マイクロソフトではあまり力を入れていない、BtoC領域のソリューションも発展させたい」とも言う。

 ではrinnaとして独立し、拠点を日本に置いたのはなぜなのか。もともとりんなの研究開発は、マイクロソフトの検索技術であるBingの研究開発チームの活動から派生したものだった。Bingの時代から日本にはAIやロボットに親しみがあり、さらにキャラクター文化に対する理解も深いものがあるとわかっていた。そのため「AIキャラクターの文化を新たに創るのなら、日本からだと考えました」と陳氏は言う。

 マイクロソフト時代から数えて、りんなの会話技術は既に5年の実績がある。この実績からも「人ならざるものとの会話に対する許容度は、日本はかなり高いものがあります」と語るのは、rinna株式会社 Chief Rinna Officerの坪井一菜氏だ。たとえば、りんなが高校を卒業するとした際には、ファンからりんなに贈り物がたくさん届いたのだ。このように日本では「りんなとファンが強くつながることができたのです」と言う。

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すべての人の傍らにAIキャラクターがいるような世界を目指す

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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