2024年11月19日、シナジーマーケティングは「DAYS GRAPHY(デイズグラフィ)」のメディア向け体験会を開催した。
同社は、2000年に創業されたSaaS型CRM「Synergy!」を主力プロダクトにもつ企業。同年8月より新サービスのDAYS GRAPHYを提供している。DAYS GRAPHYは顧客理解を深めるためのサービスであり、クチコミやレビューコメントを読み込むことで、エスノグラフィに基づいた形で日常や生活状況が描かれた“顧客像”を生成できるという。
同社 阪口奨氏は、「顧客管理ができたとしても、それを実務に活かせていない」と下図を示しながら指摘。特にBtoC企業では、“消費者は自分である”という思い込みであったり、外部委託のためにノウハウを蓄積できていなかったりと、自社で顧客理解を深められない要因がいくつもあると話す。
また、マーケティングリサーチの観点からは、顧客が曖昧かつ不正確、無意識的に行動している点などもハードルになっており、これにより“都合の良い”顧客像が生まれてしまっているともいう。そこで同社は、先述したDAYS GRAPHYをローンチ。OpenAI社のChatGPTを用いながら口コミや商品レビューから顧客像を生成し、チャット形式で質問を行えるようにしていると阪口氏。「商品の口コミ数が少なくとも生成でき、ペルソナだけでなく、どのような日常生活を送っているのか生成可能だ。これまでのマーケティングリサーチで培ってきたノウハウも体系化しており、最適な質問も動的に生成できる」と強調する。
体験会では、Amazonのカスタマーレビューから30件の口コミをcsv形式でまとめたファイルを利用。Webブラウザベースでの利用が可能で、下図のようにプルダウン形式で生成条件を指定する。
数分の後に生成された結果には、重要度の高い“架空の顧客像”が5つ提示され、それぞれ日常生活をどのように過ごしているのか、どのような価値観をもっているのかなどの情報も付与。このとき価値観の生成においては、同社が顧客分析/顧客理解のフレームワーク「Societas(ソシエタス)」が用いられているという。
また、トーク画面に遷移すると、下記のように生成した顧客像にチャット形式でインタビューも実施できる。都度、最適な質問をサジェストしてくれるため、顧客インタビューに関するスキルが高くなくともヒアリングが可能だという。
「あくまでも口コミから想定した顧客像であり、バイアスを取り払った形で顧客理解を深められる」と阪口氏。DAYS GRAPHYにより、多くの要素を表出させ、アイデアを生み出すことにつなげられるとする。なお、現在は消費財メーカーなど、大手企業10社ほどが利用。将来的には、対話から得られるインサイトを自動抽出できるような機能アップデートも予定しているとした。