技術の進化で障壁が下がってしまったサイバー攻撃
テクノロジーの進化や高度化にともない、セキュリティ対策のパラダイムシフトが加速している。中でも注視すべきは、生成AIを含むAI技術の普及だ。
AI活用の「民主化」が進んだことは企業に多くの恩恵をもたらしているが、一方で攻撃側のハードルが下がるという負の側面も生み出している。数年前まで、情報システムに対して攻撃を仕掛けるためには、ある程度の知識とスキルが必要だったが、今では専門知識がない人でも容易に攻撃ができる時代となっているのだ。
「海外ではわずか5歳の子どもがサイバー攻撃に加担した事例があり、最近ではサイバー攻撃を代行するオンラインのサービスまで登場しています。実際、2024年末には国内でも中学生2人がそうした代行サービスを利用し、自分が通っている学校に関係するWebサイトに攻撃を仕掛けたとして、書類送検や児童相談所への通告が行われる事案が起こっています」。こう語るのは、キンドリルジャパンのコンサルティング&ソリューションデザイン事業部 セキュリティビジネス推進部 マネージャー/コンサルトパートナーの小林勝氏だ。
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キンドリルジャパン株式会社 コンサルティング&ソリューションデザイン事業部
セキュリティビジネス推進部 マネージャー/コンサルトパートナー 小林勝氏
小林氏によると、サイバー攻撃の高度化だけでなく、攻撃の総量が急増していることも大きな課題であるという。ただでさえサイバー攻撃は攻撃側が有利な状況にあるのに対して、守る側の対応がまったく追い付いていないのが実情だ。