ブロードバンドタワーとNTT東日本は2025年11月17日、共同実験協定を締結し、長距離(東京~北海道)のデータセンター拠点間で、次世代通信基盤「IOWN」におけるオールフォトニクス・ネットワーク(以下、APN)を活用したストレージシステムの共同実証を開始すると発表した。ブロードバンドタワーの提供するストレージサービス内通信にAPNを活用し、1,000kmを超える長距離データセンター間で同一ファイルシステムを構成する初めての取り組みだという。
この共同実証では、東京拠点「ブロードバンドタワー 新大手町サイト」と、北海道拠点「NTT東日本 札幌市内データセンター」(2026年開設予定の「石狩再エネデータセンター」を想定し、NTT東日本札幌市内データセンターを利用。距離は約1,000km超)にまたがる、一貫したストレージシステム(ワンボリューム)を構築する。
従来は遅延の観点から、同一拠点内に限定されていたストレージ間通信に対して、IOWN APN(NTT東日本の「All-Photonics Connect powered by IOWN」)を活用することで、東京~北海道間の長距離にわたるストレージ空間へ統合するとのことだ。
各社の役割
- ブロードバンドタワー:データセンター・ストレージの提供、ストレージの性能検証/機能検証の実施
- NTT東日本:データセンターの提供、IOWN APN技術提供および実証回線の提供
検証内容
- 長距離拠点間で構成されたストレージシステムの正常性確認
- 映像制作やAIのワークロードを想定したストレージ性能検証
- セキュリティやデータ保護に関するストレージ機能検証
検証構成
- 場所:ブロードバンドタワー 新大手町サイト、NTT東日本 札幌市内データセンター
- 東京~北海道間のネットワーク:All-Photonics Connect powered by IOWN
- ストレージ:Dell Technologies PowerScaleシリーズ
- ランサムウェア対策ソフトウェア:Superna Eyeglass
時期
- 2025年11月17日(月)~2026年3月31日(火)を予定
共同検証を踏まえ、高品質なデータ送受信が求められる映像制作や、大規模な学習データ活用が不可欠なAI開発など、多様な分野で課題となっていたワークロードの最適化に寄与し、企業の生産性向上とデータ利活用のさらなる推進に貢献していくという。
また、増大するデータセンターの電力需要やインフラ効率化といった社会的課題への対応により、柔軟かつ持続可能なデジタル社会の基盤構築を後押しするとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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