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2025年夏号(EnterpriseZine Press 2025 Summer)特集「“老舗”の中小企業がDX推進できたワケ──有識者・実践者から学ぶトップリーダーの覚悟」

週刊DBオンライン 谷川耕一

AIで好調のOracleは「第4のハイパースケーラー」となれるか? 2026年の行方を占う

Oracleの覚悟と技術的真価

 2025年、生成AIの進化はモデルの精度競争から、それをいかに実際のビジネスへ組み込むかという「エージェント活用」のフェーズへと移り変わった。この激動の1年において、GoogleやMicrosoft、Amazon Web Services(AWS)といった既存のメガクラウドベンダーと並び、あるいはそれ以上の熱量で市場の注目を集めたのがOracleだろう。Oracleは、OpenAIとの大規模なAIインフラに関わる協業を皮切りに、GeminiやLlamaといった複数モデルをOCI(Oracle Cloud Infrastructure)上で提供することで、「第4のハイパースケーラー」としての地位を確立した。さらにERPやHCMといった広範なSaaSアプリケーション群にAI機能を深く統合し、データベースそのものをAIに対応させるための戦略を加速させている。同社が目指すのは「企業データと生成AIの極限までの接近」だ。

「AI Changes Everything」 25年前の衝撃を再び

 2025年10月、米ラスベガスで開催されたOracleの年次イベント「Oracle AI World 2025」で掲げられたメッセージは、極めて野心的なものだった。「AI Changes Everything」、この言葉を耳にした日本オラクル 取締役 執行役社長の三澤智光氏は、2000年初頭にOracleが世界に示した「Internet Changes Everything」という標語を想起したという。

 「久々に『すべてを変える(Changes Everything)』という表現を全面的に押し出してきたことに、強い印象を受けた」と三澤氏。これはAIを単なる一過性の技術トレンドではなく、インターネットの登場に匹敵する、あるいはそれを凌駕する「産業革命的な変革」として捉えている証左だ。

 AIによる変革は、IT業界のステークホルダーにも再定義を迫っている。かつて電卓がコンピューターに置き換わった際、新たなITベンダーやSIer、コンサルティングファームが誕生したように、次はコンピューターがAIへと変貌しようとしている。三澤氏は、国内のSIerもこの変化に強い危機感を抱いていると指摘。「AIがすべてを変える時代に、自分たちはどういう立ち位置にいるべきか」を問いなおすこと、この危機感と変革への意欲こそが、今回のメッセージに込められたリアリティだとする。

技術の系譜 RAC、Exadataから「AIスパコン」へ

 Oracleの戦略を理解する上で欠かせないのが、同社の主力製品である“データベースの名称”が歩んできた歴史だ。同社は常に、その時代の中心的な技術トレンドをデータベースに刻んできた。1999年頃には、インターネット(Internet)への対応を象徴する「Oracle 8i」の提供を開始。その後2000年代には分散処理や資源効率を追求するグリッド(Grid)コンピューティングを推進するためのデータベースとして、名称を「Oracle Database 10g/11g」とする。

 2013年には、クラウド(Cloud)時代の仮想化と統合を象徴する「Oracle Database 12c」となり、2024年頃にAIを象徴する「23ai」へ移行した。そして2025年10月、最新世代として発表されたのが「Oracle AI Database 26ai」である。「AI Database」という命名は、AIをデータベースの中核に据え、次世代のデータプラットフォームとして再定義するという、強い意志の表れだろう。

 興味深いのは、最新のAI戦略を支える技術的な礎が、1990年代から培われてきた「分散処理」技術にある点だ。たとえば、複数のサーバーで単一のデータベースを共有する「Oracle Real Application Clusters(RAC)」や、その技術を極限まで高めた「Oracle Exadata」の存在があるだろう。これらの製品で磨き上げられた高可用性、スケーラビリティ、そして高速なネットワーク間連携のノウハウが、現在の“AIスパコン”基盤の設計に直結している。

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OCIの躍進を支える「RDMA」 Oracleがもつ独自の武器

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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