SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Security Online Day 2026 Spring

2026年3月 オンライン開催予定

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2025年夏号(EnterpriseZine Press 2025 Summer)特集「“老舗”の中小企業がDX推進できたワケ──有識者・実践者から学ぶトップリーダーの覚悟」

酒井真弓の『会いたい人』

“レジェンドCIO”5人衆と旅先で考える「これからの情シス」──2030年までに解決しておきたい課題

#6:CIO旅 in 沖縄

 沖縄に5人のITリーダーが降り立った。激動のAI時代にあって走り続けることは大事だが、少し立ち止まって本音で語り合うことも、リーダーにとって必要な時間であろう。テーマは「日本企業の課題とCIOの役割」。2030年までに残したくない技術負債は。6時間に及んだ議論の一部始終を紹介する。

参加者(五十音順)

  • 虻川勝彦氏(カシオ計算機株式会社 デジタルイノベーション本部長)
  • 喜多羅滋夫氏(喜多羅株式会社 Chief Evangelist)
  • 友岡賢二氏(フジテック株式会社 専務執行役員 デジタルイノベーション本部長 CIO/CDO)
  • 長谷川秀樹氏(生活協同組合コープさっぽろ CIO)
  • 林直孝氏(株式会社大丸松坂屋百貨店 常務執行役員 デジタル戦略推進室長兼 DX推進部長)

固定観念をぶち壊せ!

──CIOの役割は何だと捉えていますか?

友岡賢二:企業の持続可能性を担保することです。ただし、間違ってはいけないのは、システムを止めないことは前提であって、真の役割ではないということ。CIOの役割は、企業が次の世代を生き抜くための変革をリードすること。持続可能性を高めるための戦略的アジェンダを経営視点で設定すること。これができるのが、CIOです。

画像を説明するテキストなくても可
フジテック株式会社 専務執行役員 デジタルイノベーション本部長 CIO/CDO 友岡賢二氏

虻川勝彦:CIOは、経営陣の固定観念をぶち壊すためにいると思っています。日本企業では、経営層がITを十分に理解できていないことで、本来なら実現できるはずの変革を「難しい」「できない」と判断してしまうケースが少なくありません。実際には、少し視点を変えれば解決できること、テクノロジーを活用すれば大きく前進できることが数多く存在します。CIOはその「思い込みの壁」を取り払い、経営と現場の間にあるギャップを埋め、企業の仕事の進め方そのものをアップデートしていく存在です。IT投資の質を根本から変え、企業の競争力を引き上げるための役割を担わなければなりません。

 しかし現状、日本企業の多くでは、CIOの役割が十分に認識されているとはいえません。情報システム部門の延長と捉えられ、経営の中心としての期待が明確に置かれていないケースも少なくないので、このような状況こそが「失われた30年」を招いた一因であると考えています。

 これからの日本企業に求められるのは、テクノロジーを経営戦略の中核に据え、CIOを変革のリーダーとして活かす組織づくりです。固定観念を打ち破り、新しい働き方と価値創造のスタイルを企業にインストールする。その役割をCIOが果たすことで、企業は次のステージへ進むことができるのだと考えています。

画像を説明するテキストなくても可
カシオ計算機株式会社 デジタルイノベーション本部長 虻川勝彦氏

次のページ
情シスが主語になった言説は、すべて間違っている

この記事は参考になりましたか?


広告を読み込めませんでした

広告を読み込み中...

  • Facebook
  • X
  • note
酒井真弓の『会いたい人』連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

酒井 真弓(サカイ マユミ)

ノンフィクションライター。アイティメディア(株)で情報システム部を経て、エンタープライズIT領域において年間60ほどのイベントを企画。2018年、フリーに転向。現在は記者、広報、イベント企画、マネージャーとして、行政から民間まで幅広く記事執筆、企画運営に奔走している。日本初となるGoogle C...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/22533 2025/12/08 08:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング