Nexthinkは8月29日に国内で初めて記者説明会を開催し、日本市場における事業戦略を発表した。

同社は20年前に事業を開始し、デジタル従業員体験(DEX)市場でグローバルにシェアを獲得してきた。顧客数は1,300社以上で、エンタープライズを中心に様々な業界で導入が進んでいるという。
同社のChief Revenue Officer(CRO)を務めるIan Bancroft(イアン・バンクロフト)氏は、同社の製品が企業に求められている背景について「従業員は様々なデバイスを活用しており、ネットワークに接続する方法も様々だ。特にグローバルに展開する企業の場合、利用するSaaSアプリケーションが多数ある中で、ネットワークも複雑化している実態がある。結果として、従業員デバイスの相互接続性の良し悪しを総合的に判断することは難しい」として、企業が抱えるITの課題を示す。

このような課題を踏まえ、同社はエンドポイントからテレメトリデータを収集し、アプリケーションのアベイラビリティといった従業員体験を向上させるための各種データを可視化・分析するDEXプラットフォーム「Nexthink Infinity」を提供している。イアン氏は「我々のソリューションを活用することで、従業員の働く環境における問題を事前に解決し、一人ひとりの体験をパーソナライズすることが可能だ」と説明する。
続いて、同社のジャパンプレジデントを務める萩野武志氏が日本市場における今後の戦略を説明した。

同社は6月末に日本法人を設立し、7月23日より日本語版のソリューション提供を開始している。日本市場へ進出した背景について、萩野氏は「人口減少と低生産性が生み出す負のスパイラル」を挙げた。少子高齢化による労働力の減少に加え、労働生産性もG7の中で最下位の日本。デジタル競争力ランキングにおいても後れを取っていることを挙げ、「労働において多くの時間が損失されていることが見て取れる」として、同社のソリューションが日本社会に貢献できる可能性を示した。
また、販売戦略として直販にも注力するという。一般的にグローバル企業が日本市場へ参入する際には、パートナーエコシステムを中心に市場へ展開していくことが多いが、「日本企業の従業員の声をよりダイレクトに吸い上げ、リーチしていきたい。そのためにパートナーエコシステムとあわせて直販にも注力する」と説明した。
萩野氏は今後の展望について「DEXという概念はより日本に浸透していくと考えられる。日本のDEX市場におけるのデファクトスタンダードとして、我々の地位を確立していきたい」と力を込めた。
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