SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

  • Security Online
  • DB Online
  • 財務・会計Online
  • ニュース
  • 新着記事一覧
  • イベント

    IT Women Summit
    2026年5月26日(火)オンライン開催

    EnterpriseZine Day 2026 Summer
    2026年6月9日(火)オンライン開催予定

    • IT部門から“組織変革”を~気鋭のトップランナーを訪ねる~

      IT部門から“組織変革”を~気鋭のトップランナーを訪ねる~

    • コミュニティ型勉強会「情シス塾」

      コミュニティ型勉強会「情シス塾」

    • 酒井真弓の『Enterprise IT Women』訪問記

      酒井真弓の『Enterprise IT Women』訪問記

    • Next エンタープライズAI

      Next エンタープライズAI

    • 待ったなし!「新リース会計基準」対応への一手

      待ったなし!「新リース会計基準」対応への一手

    • 2025年のトップランナー35人が見据える今と未来 年末特別インタビュー presented by EnterpriseZine

      2025年のトップランナー35人が見据える今と未来 年末特別インタビュー presented by EnterpriseZine

  • ブログ

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

IT Women Summit

2026年5月26日(火)オンライン開催

EnterpriseZine Day 2026 Summer

2026年6月9日(火)オンライン開催予定

IT Strategy Summit 2026

2026年7月16日(木)東京・JPタワーホール&カンファレンスで開催予定

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2026年冬号(EnterpriseZine Press 2026 Winter)特集「AI時代こそ『攻めの経理・攻めのCFO』に転じる」

小川航平の「AIエージェントのための記憶と境界の設計論」

AIエージェントの記憶とは何か?会話履歴を業務判断に変える設計

【第2回】Agent Memoryの全体像

Memory導入前に確認したい3つの観点

 Agent Memoryはトレンドですが、すべてのAgentにすぐ導入すべきものではありません。MemoryはAgentに継続性を与える一方で、誤った前提、古い情報、権限外の記憶、顧客間の文脈混入を次回以降にも持ち越すリスクがあります。記憶がないAgentは毎回リセットされます。しかし、誤った記憶を持つAgentは、間違った前提を継続します。

 そのため、自社AgentにMemoryを組み込む前に、少なくとも3つの問いを確認する必要があります。過去の文脈を使うことで業務価値が明確に上がるか。誰の記憶か、いつ有効か、誰が読めるかを定義できるか。更新、削除、監査、評価を運用できるか──この3点です。

問い 確認すること
業務価値 過去の文脈を使うことで、回答や行動が明確に良くなるか
制御可能性 誰の記憶か、いつ有効か、誰が読めるかを定義できるか
運用可能性 更新、削除、監査、評価を継続的に運用できるか
表3 Memory導入前に確認したい3つの観点

 特に企業利用では、「記憶してよい情報」と「都度、正本を参照すべき情報」を分けることが重要です。顧客ごとの対応方針、過去の合意、作業上の注意点はMemoryに向きます。一方で、契約金額、最新規程、権限情報、法務判断、価格表のように正確性と鮮度が要求される情報は、Memoryに固定化せず、都度RAGや業務DBから正本を参照する設計が適しています。

 上記の問いに答えられないユースケースの場合は、いきなり高度な長期記憶やGraph Memoryに進むのではなく、段階的に始めるべきです。最初は短期記憶です。次に、ファイルベースの記憶です。その次に、DBベースの意味記憶です。さらに必要であれば、ユーザー嗜好、顧客前提、過去対応履歴のようなプロファイル記憶・エピソード記憶へ進みます。この順番は、技術的な難易度の順番であると同時に、責任の重さの順番でもあります。

RAGだけではなく「記憶のライフサイクル」を設計する

 Agent Memoryは、会話履歴をそのまま保存する機能ではありません。RAGが現在の問いに対して外部知識を検索し、回答生成を根拠づけるアーキテクチャであるのに対し、Agent Memoryは「過去の文脈を、次の業務判断にどう持ち越すか」を扱います。RAGだけではAIエージェントの"記憶"にならない理由は、ここにあります。

 重要なのは、記憶を持たせること自体ではなく、何を記憶として形成し、どの場面で想起し、古くなった記憶をどう更新・無効化するかを設計することです。そして実装段階では、どの仕組みに何を任せるのかが新たな論点になります。会話から記憶を抽出する仕組み、関係性や時間変化を扱う仕組み、業務フローの中で記憶を読み書きする仕組み、業務データ基盤と接続する仕組みは、それぞれ担う責任が異なります。

 次回以降は、この「記憶のライフサイクルをどう実装するか」という問いを起点に、企業でAIエージェントに記憶を組み込む際の考え方をさらに掘り下げていきます。

この記事は参考になりましたか?


広告を読み込めませんでした

広告を読み込み中...

  • Facebook
  • X
  • note
小川航平の「AIエージェントのための記憶と境界の設計論」連載記事一覧
この記事の著者

小川 航平(オガワ コウヘイ)

 日本オラクル株式会社 Principal AI Data Software Solution Developer。データ分析基盤と生成AI領域を中心に、構想段階の課題を技術要件へ落とし込み、プロトタイピングから実装、導入までを横断して担う。OCIのAI Agent、AI Database、Mult...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/24225 2026/05/07 09:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング