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生成AIの本番運用開始、しかし使い物にならない……高精度な自社専用LLMを実現するデータ整備の勘所

AIのための「翻訳辞書」を作るべし 辞書の作り方から実運用フェーズでの典型的な壁と乗り越え方まで解説

AIの実業務への定着を阻む「3つの壁」 根本原因は“不完全な”メタデータ整備

 何十もの工程から出力される膨大な変数の中から、部門間の相関や相互作用を見つける作業を人手で行うのは現実的ではない。これは、大量データからのパターン認識を得意とする生成AI/LLMが担うべき領域で、多くの企業が「自然言語で問いかければ、AIが横断的に分析して解約率上昇の真因を返してくれる」世界を期待している。

 一方で、実業務にAIを投入しようとすると以下のような「3つの壁」が立ちふさがるという。

  • ハルシネーション:自社データベースに存在しないテーブル名やカラム名を自信満々に出力し、現場の信頼を損なう
  • 根拠不在:回答がどのテーブル・定義に基づくか示されず、重大な業務判断に使えない
  • 権限制御の欠如:機密性の高い個人情報や財務情報まで横断的にアクセスできてしまう

 これらの根本的な原因は、「AIが単独で正しく動くためのデータの文脈、すなわち信頼できるメタデータが外部に整備されていないことにある」と眞田氏は指摘する。汎用LLMは一般常識やSQL構文、業界標準の概念知識はもつものの、企業固有の“社内常識”は持ちあわせていない。

 しかし、企業のデータベースは物理構造中心に設計されており、業務上の意味や定義が明文化されていないケースが多い。そのため、「売上を出して」といった指示に対しても、どのデータをどう集計すべきかAIは判断できず、推測に頼ったSQL生成によって構文エラーやハルシネーションを招いてしまうのだ。このズレを埋めるために不可欠なのが、社内常識を機械可読な形に翻訳した「辞書」であり、これこそが次世代データカタログの役割である。

 「1ヵ所のデータウェアハウスにデータを集めさえすれば、AIが勝手に分析してくれるという考え方があります。しかし、集めるだけでは動きません。データウェアハウスはあくまでデータを保管する倉庫であり、中身を正しく取り出すには、図書館でいう蔵書目録や検索システムにあたる『データカタログ』が必要です。データの業務的意味を管理する辞書があって初めて、AIはそのデータを正しく扱えるセマンティック層を構築できます」(眞田氏)

クリックすると拡大します

 Quollioが提供するデータカタログには、業務的意味や用語定義を管理するメタデータ管理、データの来歴を追うリネージ、業務ルールに沿ったアクセス制御を行うガバナンスという3つの中核機能がある。これらがコンテキストとしてAIエージェントへ供給されることで、同義語の混同解消、根拠付きの応答、業務単位での権限制御といった効果が生まれる。データカタログは、人間がデータを探すためのツールから、AIに文脈を供給して制御する「コントロールプレーン」へと役割を進化させている。

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完璧な翻訳辞書を用意した後も、「とある問題」が待ち受ける……

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社Quollio Technologies

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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