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BoxがNVIDIAと協業拡大で、非構造化データの活用を加速──BoxWorks 2026

小山 奨太(編集部)[著]

 クラウドコンテンツ管理基盤を提供するBoxは2026年11月5日(現地時間)、米国サンフランシスコにて年次イベント「BoxWorks 2026」を開催。日本からの参加者約110人を含む約1,200人が参加した今回は「Content + AI : All your content. Any AI agent.」をテーマに、企業の非構造化データをAIエージェントへ安全に接続・適用するための新機能群が発表された。

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 基調講演の冒頭に登壇したBox CEO 兼 共同創業者のアーロン・レヴィ(Aaron Levie)氏は、企業が保有する全データ量のうち約9割をファイルや文書などの非構造化データが占めていると指摘し、非構造化データがAI活用のコンテキストになると訴える。

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Aaron Levie CEO, Co-founder, Box

 レヴィ氏は「企業においてAIが真の価値を発揮するには、モデルやエージェントが自社固有のコンテキストに安全にアクセスできる環境が不可欠だ」と述べ、個別対話型から業務プロセス内で自律的にタスクを並行処理する協働環境への移行を強調。インテリジェントコンテンツ管理プラットフォームの重要性を訴えた。

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 続いて、エージェント型業務の設計とデータ連携を支援する主要機能群が提示された。プロダクトマネジメント担当 シニアチームディレクターのニルマル・ガネーシュ(Nirmal Ganesh)氏は、自然言語の入力から最適な業務ステップを解析して自律型ワークフローを生成する「Box Architect」を発表。同氏は「フロンティアAIの知能を活用して、最適なプロセスを自律的に設計し、コンテンツを中心とした自律型ワークフローを構築する。人とAIが協働する環境を実現する」と語る。重要な判断領域に人間が関与する仕組み(Human-in-the-Loop)は維持するとした。

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 さらに、NVIDIAとの協業拡大により、NVIDIA Nemotron Retrieverを活⽤した検索エンジン「Box Context Retrieval」を発表。ステージに登壇した同社 創業者 兼 CEOのジェンスン・フアン(Jensen Huang)氏は「AIエージェントに必要なのは知能だけでなく、企業固有のナレッジやコンテキストだ。NVIDIAのモデルとBoxのセキュアな基盤を組み合わせることで、エージェントを企業の知見に接続し、具体的なアクションへつなげることが可能になる」と述べた。同検索エンジンはNVIDIAのモデル技術「Nemotron Retriever」とセマンティック検索を統合し、検索精度の20%向上、トークン使用量の90%削減、応答速度の4倍向上を実現するという。

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Jensen Huang Founder & CEO, NVIDIA

 加えて、オープンウェイトモデル「NVIDIA Nemotron 3 Ultra」の追加や、最大20時間の並行処理とOffice形式出力に対応する「Box Agent」の機能拡張も明らかにした。

 エージェントの本格運用にともなうデータガバナンスとセキュリティ上の課題に対し、Boxはコンテンツ保護とAIエージェントのガバナンスの強化を打ち出す。大量データの持ち出しやアカウント乗っ取りを自動遮断する「Shield Threat Detection」に加え、Model Context Protocol(MCP)に基づくガードレール設定や機密区分別のアクセス制限ポリシーを提示した。

 また、Box内のファイルと連携する「Box Mount」とNVIDIAのAI実行環境「NVIDIA OpenShell」を組み合わせ、AIエージェントが隔離された環境(サンドボックス)で安全にデータを処理できる仕組みも提示された。

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 なお提供時期について、Box Architectは2026年11月以降にEnterprise Advancedプラン向けベータ版として展開され、Box Context Retrievalや新しい脅威保護機能は2027年初頭の提供が予定されている。エージェント向けセキュリティ制御機能は既に提供を開始しているという。

 クロージング講演では、定義済みテンプレートで個別のPoC負担を軽減する業界特化型ソリューション群「Box for Industries」の提供も発表された。まずは、金融機関向け「Box for Banking」、公共機関向け「Box for Public Sector」、メディア業界向け「Box for Media & Entertainment」の3つが提供されるという。

 Boxはコンテンツ基盤とAIモデル、そして厳格な統制フレームワークを統合することで、企業が安全に自律型AIを活用できる環境の確立を目指している。

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この記事の著者

小山 奨太(編集部)(コヤマ ショウタ)

EnterpriseZine編集部所属。製造小売業の情報システム部門で運用保守、DX推進などを経験。

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