Statspackの最も優れた解説書とは?
前回、Enterprise ManagerやAWRを使用したパフォーマンス分析を紹介しましたが、Standard EditionやStandard Edition Oneを使用しているシステムでは、以前から一般的なStatspackを使った分析技術が必要ですね。
Statspackを利用している皆さんの中に、「Statspackにはちゃんとした解説本が少ない」と思っていらっしゃる方もいるのではないでしょうか? 実は最も優れた解説書が $ORACLE_HOME/rdbms/admin/ 配下にあるspdoc.txtなのです。
spdoc.txtの目次は以下の通りです(Oracle Database 11g Release 2の場合)。
0. Introduction and Terminology
1. Enterprise Manager (EM), Automatic Workload Repository (AWR) and Statspack
2. Statspack Configuration
3. Gathering data - taking a snapshot
4. Running the Performance reports
5. Configuring the amount of data captured
6. DB time,, and Time Units used for Performance Statistics
7. Event Timings
8. Managing and Sharing performance data
9. New and Changed Features
10. Compatibility and Upgrading from previous releases
11. Oracle Real Application Clusters specific considerations
12. Conflicts and differences compared to UTLBSTAT/UTLESTAT
13. Removing the package
14. Supplied Scripts Overview
15. Limitations and Modifications
この文章を読むと、Statspackの導入(2章)から運用の設定(3章・4章・5章)、Statspackレポートを解析する上でのポイント(6章・7章)、Statspackデータの管理(8章)、過去のリリースからのアップグレード(10章)など、Statspackを利用する上で非常に有益な情報を得ることができます。
さらに上級者の方にはStatspackの生成スクリプトである、$ORACLE_HOME/rdbms/admin/spcreate.sqlの中身も読んでみると、内部的に
$ORACLE_HOME/rdbms/admin/spcusr.sql
$ORACLE_HOME/rdbms/admin/spctab.sql
$ORACLE_HOME/rdbms/admin/spcpkg.sql
が呼ばれていることが分かります。
これらのSQLスクリプトを読むと、Statspackがどのように作られ、どういった情報を収集しているかを読み砕くことができ、Statspackを使いこなす、まさに「Statspack通」になることができるでしょう。
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矢木覚(ヤギサトル)
Oracle ACE SIerにおいて、Oracle Databaseの最新技術を用いた、企業システムの基幹システム設計/構築に携わる。大規模RACやOracle Exadataによるシステム設計・データベース統合等を行ってきた。その経験を基に、現在ではオラクルの技術を広めるエヴァ...
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