去る2月9日、「Webと電子書籍について学ぼう!」と題して第26回「HTML5とか勉強会」がリクルートGINZA8ビルで開催された。120人の会場に倍の240人が参加希望するという人気ぶりに、Web業界でも電子書籍への注目が高いことがうかがえる。HTML5の勉強会が開催するだけあり、電子書籍といえども出版社や印刷会社ではなく、Web関連事業者から選出された講演者やパネラーが取り組みや課題を話し合った。ここでは、この日のハイライトだったパネルディスカッション「なぜWebではなく電子書籍なのか?」にフォーカスして、レポートしたい。
「なぜ、Webではなく電子書籍なのか?」
パネルの登壇者は、ユーザーがWebで自由に電子書籍を作成できるサービスとして、ブクログのパブーから吉田健吾氏(paperboy&co.)、BCCKSの田中孝太郎氏(ゼロベース)、ニコニコ静画(電子書籍)のシステムリーダーである庄司嘉織氏(ドワンゴ)と、代表的な事業者3社が顔を揃えた。

さらに電子書籍出版社として、パネル直前に「Webと書籍とEPUBと」と題して興味深い発表をした高橋征義氏(達人出版会)。当パネル唯一の紙媒体出版社ともいえる電子雑誌「on-deck.jp」の福浦一広氏(インプレス)。そして、EPUB3の日本語拡張仕様にもかかわった高瀬拓史氏(イースト)も「いいパブッ!!よくわかるEPUB3」と題した自身の発表後の登壇となった。

この顔ぶれからもわかるように、従来の紙の書籍の制作・流通に携わるプレイヤーがほぼいないという電子「書籍」らしからぬパネルとなったが、かえって紙コンテンツの蓄積を取り払ったところに電子出版の可能性が見えてきたようだ。
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