1.3 CSIRT
(1)事故前提での対応
企業は、営業上の機密情報に加えて、大量の顧客情報を社内ネットワーク上に保有するようになり、攻撃者にとって魅力的な標的となっている。一方、これらの情報を狙う攻撃の多様化と高度化により、完全な防御を期待しがたい状況となっている。
このような状況に対して、インシデント発生時の対応策と体制を整備することで、万が一インシデントが発生しても適切に対応ができるようになり、被害を局所化し最小限にとどめることが可能になる。
(2)CSIRTとは
インシデント発生時における対応の要となるチームをCSIRT(Computer Security Incident Response Team:シーサート)と呼ぶ。CSIRTは、統一的窓口を設けて発生している問題の報告を受け、インシデントの全体像を掌握するとともに、対策に必要な情報を集約、分析する。そして、その分析結果を元に、必要に応じて組織外とも適宜情報を共有しつつ、解決および被害局所化のための司令塔として機能する(図表3)。