SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Security Online Day 2026 Spring

2026年3月 オンライン開催予定

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2025年夏号(EnterpriseZine Press 2025 Summer)特集「“老舗”の中小企業がDX推進できたワケ──有識者・実践者から学ぶトップリーダーの覚悟」

DB Press

中国銀行が全社規模のデータ分析・AI基盤活用でビジネス変革へ 「デジタル×〇〇」を担う人材育成目指す

基盤導入で見据える「次世代チャネル戦略」とは

 中国銀行は、全社規模でアナリティクス/AI基盤「SAS Viya」を導入することを決定した。このプロジェクトは、SAS Institute Japan(以下、SAS)とコムチュアとの3社連携により推進され、従来のシステム導入の枠を超えた「新たなDXモデルの創出」を目指すという。本稿では、2025年10月16日に行われた記者発表会およびグループインタビューの様子を通して、同行の戦略を掘り下げていく。

地方銀行初、アナリティクスAI基盤「SAS Viya」を全社規模で導入

 岡山県岡山市に本店を置く中国銀行は現在、2023年4月にスタートした中期経営計画を実行中だ。同行は「地域・顧客・従業員と分かち合える豊かな未来を共創する」という経営理念を掲げ、これの実現に向けた重点課題のひとつとしてDX推進を位置づけている。

 2024年5月に策定された「ちゅうぎんDX戦略」のコンセプトは、「思いをつなぐDX」。この戦略は、同行グループ自身がDX企業となり、顧客をリード・サポートすることで地域社会をともにデジタルでデザインしていくことを目的としている。

 このDX推進の根底には「一地域ありき」というキーワードがあるという。中国銀行で取締役を務める山縣正和氏は、DXを進める最大の目的について「当社最大の財産である人材をより輝かせるため」と説明する。なかでもデータ・AIの活用が、地域にとってより魅力的かつ有益なサービス提供につながると語った。

共創プラットフォーム構築で、DX推進を加速させる方針だ

(クリックすると拡大します)

 今回、中国銀行は社内データを活用し、顧客へのコンタクトの高度化を図るため「SAS Viya」を中心としたアナリティクスAI基盤を全社基盤として整備した。導入は2024年4月に決定し、稼働は2027年1月に開始する予定だ。この基盤導入により、同行は以下3点の実現を目指すという。

  • 仮説設定の高度化:地域や顧客の潜在的なニーズや課題をこれまで以上に早く、高い精度で発見しアプローチする
  • 顧客体験の革新:仮説に基づくパーソナライズされた案内や提案を最適なチャネルで実施し、顧客満足度を高める
  • 意思決定の迅速化:経験や勘に加えて、データ分析とAIの知見に基づき、経営戦略や営業戦略における迅速な意思決定を実現する

 特に、意思決定の迅速化について山縣氏は「変化の激しい現代において、経営戦略や営業戦略の意思決定の重要性は日々高まっている」とその背景を語る。現状、同行ではビジネス戦略を立てるにあたって必要な情報(個人預金の動向や新商品の効果など)を経営層が得ることに時間がかかり、意思決定が遅れてしまうという課題があった。今回の基盤導入によって、より迅速に必要な情報が集められるようになると期待が高まっているという。

次のページ
今後は人材育成にも注力 「デジタル×〇〇」両方を担える存在へ

この記事は参考になりましたか?


広告を読み込めませんでした

広告を読み込み中...

  • Facebook
  • X
  • note
DB Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

奥谷 笑子(編集部)(オクヤ エコ)

株式会社翔泳社 EnterpriseZine編集部

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/23129 2025/11/13 09:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング