タカラスタンダードは、ChillStackが提供する不正経費自動検知クラウド「Stena Expense」を導入した。
タカラスタンダードでは、2021年に経費精算クラウドシステムを導入し、モバイル端末や法人カードを通じて、時間や場所を問わず経費申請ができる環境を整備。そのタイミングで、承認フローを多段階承認から申請者の上長による1段階承認へと見直し、承認前のチェック工数削減を実現したという。
一方で、承認後の事後チェックが経理部門に集中する構造となり、新たな業務負荷が課題として顕在化。同時に、不正のトライアングル(動機・正当化・機会)のうち「機会」に対する統制が弱まり、不適切な経費申請が発生するリスクも高まっていたとのことだ。
また、コロナ禍の収束にともなう出張機会の増加によって、経費申請件数も年々増え、経理部門のチェック業務は膨大になり、人的対応だけでは限界が見え始めていたという。こうした背景から、経費精算におけるチェック精度の維持と業務負担の軽減を目的に、Stena Expenseの導入を決定したと述べている。
導入後の変化・成果
1. 重複・不適切申請の検知精度が向上
Stena Expense導入後は、重複申請や不適切な申請に対する検知精度がAIによって向上。交通費の往復・片道申請における重複など、これまで目視では見落とされやすかったケースをAIが自動抽出できるようになり、確認作業の精度とスピードの両面で改善が見られているとのことだ。
2. 異常モデル分析でリスクを早期に把握。ルール・システム改善へ活用
勘定科目別・社員別に金額や申請頻度を比較できる「異常モデル分析」により、不適切な経費利用や入力誤りの兆候を、より早期に把握できるようになったという。AIの検知結果をもとに、領収書の添付漏れなどの運用上の課題も可視化され、社内システムの改修や運用ルールの見直しへとつながっているとしている。
「AIがここまで検知できる」という認識が社内に浸透したことで、従業員一人ひとりの意識向上や内部統制の強化にも寄与しているとのことだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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