利用経験も利用予定もない企業は中小企業で4割、大企業でも1割以上
調査によると、外部データセンターサービスの利用は全体に拡大傾向を続けているものの、利用経験も利用予定もない企業が、中小企業(従業員数10~99人)では4割、案件規模が大きくなりやすい大企業(同1,000人以上)でも1割を超えることが分かった。大企業においても、今なお顧客の新規開拓の余地はあるとみられる。
また、外部データセンターサービスを利用する理由として、中小企業を中心にセキュリティ対策を挙げる企業が多いことが分かった。一方、外部データセンターサービスを利用しない理由としてセキュリティ上の不安を挙げる企業も少なくなく、特に大企業では50.9%(複数回答)と突出して高い回答率を示した。
加えて、利用する外部データセンターサービスの選定の際、信頼性/可用性や価格に次いで、地震などの災害に対する対策を挙げる企業も多いことが分かった。これらの対策を充実させることが、市場拡大にプラスの影響を与えると考えられる。
今後1年間、外部データセンターサービスへの支出を増加させる企業は6割を超える
外部データセンターサービスに対する支出動向を見ると、大企業においてもサービスの利用に消極的な企業は根強く存在するものの、概ね従業員規模に比例して支出額が上昇する傾向が見られた。そして、今後1年間で外部データセンターサービスに対する支出額を増加させると回答した企業は全体で6割を超え、特に中堅企業(従業員数100~999人)では66.4%にのぼることが分かった。
国内データセンターサービス市場は拡大傾向を続けており、さらに新規顧客開拓の余地もまだ残っているとIDCではみている。
IDC Japan ITサービス シニアマーケットアナリストの吉井誠一郎氏は、「セキュリティ対策、そして地震など災害への対策を充実させることが、企業に対する安心感を与え、外部データセンターサービスの利用のさらなる拡大につながるであろう」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「2018年 国内データセンターサービスユーザー調査」にその詳細が報告されている。