12日、富士通研究所は、暗号化処理され印刷された文書や画像をカメラ付き携帯の映像を通して復号・閲覧できる技術を開発したと発表した。これは、文書中の秘密事項やコピーされたくない画像などを暗号化処理された状態で印刷しておき、復号処理に対応した携帯電話が「鍵」となり復号・閲覧が可能となるものだ。
富士通研究所は、PCとスキャナを使った同様なシステムを2008年6月に発表しているが、これを携帯電話のカメラとディスプレイで可能にしたことになる。PCやスキャナでは、暗号化画像の読み取りが安定して行えるが、カメラ付き携帯の場合、手ぶれ、歪みなど高速で安定した復号に問題があった。これを復号の失敗ではなく、独自の画像選択フィルターによって、手ぶれや歪みなど問題のみの検出を高速でできるようにし、無駄な復号処理を省くことができるという。
応用例としては、ID、パスワード、口座番号などの情報を文書でやりとりする場合のセキュリティ確保などが考えられる。この技術は14日から開催される「富士通フォーラム2009」の会場(東京国際フォーラム)で試作品のデモがみられるそうだ。
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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)
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