シマンテックは、7月27日、メディア向けのカンファレンスを実施した。同社が、2019年にブロードコムに買収され、SB C&Sがブロードコムの一次代理店であることからブロードコムとSB C&Sによる開催となった。
ブロードコムからは、シマンテックの製品管理責任者であるマイケル・ダビンスキー氏、SB C&SからICT事業本部 ネットワーク&セキュリティ推進本部 N&Sソリューション販売推進統括部 販売推進2部部長の山田尊則氏が登壇し、シマンテック事業の戦略のアップデートと今後について語った。
ダビンスキー氏は最初にシマンテックのこれまでの、事業の変遷と経緯を紹介した。同氏によれば、「2019年のブロードコムとの合併後、シマンテック製品の開発への投資を拡大しており製品間の連携はより強化された」とし、以下の点に注力したという。
- 包括的なエンドポイントセキュリティ:アダプティブセキュリティ機能を持つ Endpoint Security Complete
- クラウドへの移行の簡略化:With Web ProtectionとCloud DLP
- 卓越したユーザーおよび管理エクスペリエンス:ゾーンのローカライズ、CASB機能付きのクラウドSWG、エンドポイントトラフィックステアリングスタック
- BYODクラウドセキュリティ:Mirror Gateway
製品群はクラウドへのシフトが進むとともに、ブロードコムのGoogleとの戦略提携により、Google Cloud Platform上に統合された。今後は「単一のソリューションではなく、顧客の成果を重視した全体のポートフォリオに統合し、Symantec Enterprise Cloudとして展開していく」という。
続いて登壇した、SB C&Sの山田氏は、「シマンテックは昔から“製品は良い”という評価があるが、事業統合などによりユーザーやパートナーに混乱を与えたことは事実」と認め、その上で「ネガティブな状況は底をつき、今後は反転に転じる状況」だと語った。
SB C&Sの役割として、日本特有のマーケティングやサポートの対応を進め、ブロードコム社公認のアグリゲータとしてビジネスを牽引していくという意気込みを見せた。これまでシマンテックは「検知や対処よりも防御が強み」と捉えられてきたが、今後は「防御、検知、対処」の全てに対応していくとし、EPP(Endpoint Protection Platform)、EDR(Endpoint Detection and Response)、脅威ハンティングなどの統合セキュリティとして拡充していくと述べた。
また、SESC(Symantec Endpoint Security Complete)に対応したSOCサービスを8月上旬に開始し、国内のパートナーも拡大していく予定だという。
ブロードコムのVMwareの買収の影響に関しては、山田氏は「現段階では伝えられることはないが、分かり次第案内していく」と語った。