グーグル・クラウド・ジャパンは9月27日、開発支援ワークショップ「Tech Acceleration Program(以下、TAP)」専用エリアを六本木オフィス内にプレオープン。同日、メディアに公開した。
TAPとは、同社が提供する無料の内製化支援プログラムで、数日間で完結するアジャイル型のワークショップのこと。記者説明会に登壇した同社 技術部長(インフラ、アプリケーション開発)の安原稔貴氏は次の2つの特徴を挙げた。
- ソフトウェア プロトライピング サポート:開発予定アプリケーションのプロトタイプ開発の支援
- アーキテクチャ設計サポート:最適なアーキテクチャ設計の支援
安原氏は、内製化を推進する指針に賛同しているパートナー企業のサポートプログラムも紹介。「お客様とパートナー、そしてグーグル・クラウド・ジャパンの“3人4脚”で一緒に伴走しながら、内製化のお手伝いをさせていただきたい」と意気込みを述べた。
続けて、TAPの活用事例としてカインズが登壇。同社デジタル戦略本部 システム統括 統括部長の長尾秀格氏は同本部で、顧客体験の向上のための新サービスの開発やローコードアプリを活用した業務のデジタル化、基幹システムではクラウドリフト・シフトを進めているとした。また、同本部は2019年の設立から200人純増し、プロダクト数も80に上るなど急速に拡大。同時に課題もあったという。
同社デジタル戦略本部 システム統括 プロダクト開発部 部長の菅武彦氏は、たくさんのプロジェクトが立ち上がったことにより現場エンジニアからは「どこにデータがあるかわからない」「担当者が誰かわからない」といった切実な声が上がっていたと明かした。そこで、グーグル・クラウド・ジャパンのTAPに参加し、課題の洗い出しやディスカッションなどを実施。菅氏は実施後「CDOを含めたマネジメント層に、(ワークショップを通して感じた)課題感を定義して、あるべき姿と組織デザインを含めて提案」したという。現在は、マイクロサービスに合わせて組織の再構成を進めているとした。
TAPはこれまで顧客企業またはグーグル・クラウド・ジャパンの渋谷オフィスで実施してきたが、新たに六本木オフィス内に専用スペースを開設。安原氏は「(これまでの実施で)ホワイトボードや大きなディスプレイといった設備が整っているほうが効率的だと感じたので、改めて最適化されたスペースを用意した」と述べた。なお、実施場所は顧客のニーズに合わせて調整可能だとしている。
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