2023年7月4日、TDCソフトは「エンタープライズアジャイル事業本部」の発足を発表。これにともない同社の事業戦略説明会を開催した。
同社取締役執行役員 北川和義氏は、「13年ぶりの記者会見となり、当時はASPという形で各社がクラウド展開を進めている中で、当社は今で言うところのPaaSを提供してきた。業界の中で存在価値を高めていくための施策を打っていく」とエンタープライズアジャイル事業本部の発足について触れる。同社は中期経営計画『Shift to the Smart SI Plus』を策定しており、技術教育サービスの拡充をはじめ、AIやフロントエンド領域を含めたクラウドに係る次世代型SI事業、SoRの維持・保守、自社製品の販売事業拡大などを掲げており、「昨年度の事業進捗を鑑みて、エンタープライズアジャイル事業本部として切り出した。同事業本部をお客さまの窓口として、新たな実績を作っていきたい」と話す。

また、同社エンタープライズアジャイル事業本部 本部長/執行役員 上條英樹氏は、従来のプロセスやマネジメントスタイルを踏襲し、外圧からDXを進めているだけの企業が見受けられると指摘。「組織、文化ともに変えていくことが重要であり、『DX白書2023』を参考にしてもアジャイルのマインドセットや取り組みが求められている」と説明する。
同社は、2015年からアジャイルに取り組んでおり、2017年にエンタープライズアジャイルの産学共同研究が契機になって「SAFe」のコンサルティングや教育事業に注力。エンタープライズアジャイル事業本部の発足後もSAFeに取り組み、約6年間の経験で蓄積したノウハウを同社の独自メソッドとして展開し、システム開発はSI事業部門が対応していきながら内製化支援にも結びつけるとした。

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具体的には、グローバル/大手企業における経営層やDX推進担当者、事業責任者など開発プロセスにおける上流の担当者を中心として展開。累計3,000人のSAFeトレーニング受講者数を目指しつつ、コンサルティングサービスを含んだ売り上げ目標を10億円としている。
