レノボ・ジャパンは4月7日、2026年の「ThinkPad」最新モデルとして10のラインアップを発表した。
同日開催のメディア向け発表会では、同社 執行役員 副社長 開発担当 塚本泰通氏が新製品の方向性を説明した。まずは日本企業におけるAI活用のトレンドについて、全社もしくは一部部門でAI活用を進めている企業の割合は60%、PC調達においても57%の企業がAI PCを要件に含める検討を始めていることに触れた。
こうした潮流を踏まえ、同社では用途に応じてクラウドAIとデバイス上のローカルAIを最適に組み合わせる「ハイブリッドAI」を推奨している。ThinkPadは、その中核を担うデバイスとして「AI時代のパフォーマンス」「従業員体験」「IT管理者体験」「持続可能性」の4つのフォーカスエリアを定めて開発されていると説明した。
同社 元嶋亮太氏は、2026年の最新モデルとして10の筐体デザインを発表し、そのすべてがCopilot+ PCに対応可能な設計であることを明らかにした。新製品ラインアップとして、AI時代のフラッグシップモバイル「ThinkPad X1 Carbon Gen 14 Aura Edition」を筆頭に、360度回転ヒンジを備えた14型のノートPC「ThinkPad X1 2-in-1 Gen 11 Aura Edition」、可搬性を高めた14型プレミアムモバイル「ThinkPad T14s Gen 7」、メインストリームのTシリーズ(ThinkPad T14s 2-in-1 Gen 2/ThinkPad T14 Gen 7/ThinkPad T16 Gen 5)、モバイルに特化した「X13シリーズ」、そしてコストパフォーマンスと拡張性に優れた「Lシリーズ」が紹介された。
特に注力したポイントとして、同氏は「プロセッサ選択の柔軟性」を挙げる。T14s Gen 7では、インテル、AMD、Qualcommそれぞれの最新プロセッサを搭載した形でリリースするなど、マルチプラットフォーム展開を進めていることを強調。「“100社100様”の多様化する働き方に最適な1台を提供したい」として、企業ごとのインフラ環境や用途に応じた選択肢の広さをアピールした。
また、全モデルで内蔵5G/4G LTEのカスタマイズが可能であり、最大5年間の無制限データ通信権を付帯する「Lenovo ConnectIN」にも対応。場所を問わない接続性をハード・ソフトの両面から保証していることを示唆した。
続いて、同社 大和研究所の堀内茂浩氏は、新機構設計「スペース・フレーム」を軸として新製品群の詳細を解説した。
AI PCとして高いパフォーマンスを発揮するためには、従来のものより強力な冷却システム(サーマルモジュール)が必要となるが、これまでの筐体(ユニボディ構造)のままでは筐体自体を大きく重くせざるを得ないという課題があったと同氏は述べる。
スペース・フレームは、マザーボードを両面実装にし、筐体の上下両面から内部へアクセス可能にすることでこの問題を解決。マザーボードを従来比で約18%小型化し、その余剰スペースをサーマルモジュールの大型化に充てたという。X1 Carbon Gen 14では、サーマルモジュールのサイズを前年比で81%も拡張しながら、本体重量は約977g~を維持しているとした。
また企業におけるPC導入指標の一つとして、保守性と運用コストが挙げられる。これまでの構造では、キーボードの交換にバッテリーやマザーボードまで取り外す必要があったが、スペース・フレームを採用したモデルでは、直接キーボードとそのカバーを取り外すことが可能になり、さらに“キー単体”での交換もできるようになったという。これにより、キーボード交換に要する時間は従来比で90%削減されるという。
さらに、故障率の高いUSB Type-Cポートの設計変更にも触れた。従来、ポートが破損した場合マザーボード全体の交換が必要となり、多額の修理費用と数日間のダウンタイムが発生していたところ、今回の新モデルはポート単体でも交換できる設計となっているという。加えて、ソフトウェア上でポートの状態を診断する仕組みも備わっているとのことだ。塚本氏はこれについて「メモリの価格が高騰する中、マザーボードを丸ごと交換する時代ではない。パーツ単位の交換(CRU)を拡充することで、顧客のTCO削減に貢献できる」と強調した。
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