株式会社アイズは21日、指紋認証式シンクライアント製品「iZE Thin Client」を11月26日より発売すると発表した。
シンクライアントとは、ユーザーの端末(ノートPCなど)に最小限の情報しか持たせず、各個人のデータはサーバー側で管理する仕組み。ユーザーはネットワークを通じてサーバと接続しながら作業する。ユーザーの端末にデータを残さないことで、昨今対策が叫ばれているノートPCの紛失による情報漏洩を防ぐことができる。また、サーバーのみを管理すればよいため、セキュリティやメンテナンス費用を抑えることもできる。
iZE Thin Clientが提供するのはシンクライアント機能のうち、端末側の制御部分となる。具体的にはPCを起動するUSBキーやCD-ROMとなる。このうち、USBキーは指紋認証機能を備えており、ユーザーはUSBをPCに挿入した状態で起動し、指紋認証を行うことでサーバーと接続できるようになる。
iZE Thin Client最大の特徴は、シンクライアントを「クライアント側の外部メディア」だけで実現できる点だ。通常、シンクライアントは専用サーバーソフトやミドルウェアなどが必要となるが、iZE Thin Clientの場合、Windows Server 2003などの基本機能と組み合わせることで実現可能になる。また、利用するPCの性能が一世代前のものでもストレスなく動かすことができるように設計されている。シンクライアントはネットワーク速度やクライアント側の処理速度に依存しがちで「もっさり」動作することが多いが、旧世代のPCでも軽快に動作させることができる。
アイズでは事業展開にあたり、シンクライアントに必要なサーバー部分の設計やiZE Thin Clientの販売などを各地域のSIerと協力しながら行いたい考え。すでに三重県の公共機関などで利用されている同製品を全国の公共機関や教育機関、中小企業などに低コストで提供したいとしている。