日立製作所(以下、日立)は2026年9月24日、内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期課題「サーキュラーエコノミーシステムの構築」において、再生プラスチックの品質評価・劣化診断を行うAI技術の研究開発に取り組むと発表した。製造現場のインラインセンサーデータと材料分析データを活用し、再生材の特性・物性のばらつきの評価や劣化状態の把握・診断を目指す。
同テーマは令和5年度から令和9年度までの5年間で推進されるもので、日立は後半2年間の令和8年度から取り組む。再生プラスチックは回収元や使用履歴、製造工程などによって、強度や流動性、劣化状態などにバラつきが生じる。従来は製造ロットの一部を抜き取って検査する方法が一般的で、ロット全体の品質ばらつきを十分に把握することは困難だった。
研究開発の主な内容は、以下の3点である。
- 品質評価AI:使用済みプラスチックを粒状原料(リペレット)に加工する工程で取得される製造条件やインラインセンサーデータを活用し、品質・特性のばらつきを予測する。ロット内の品質ばらつきを製造工程の段階で網羅的に評価することを目指す
- 劣化診断AI:オフラインで取得した材料分析データや特性評価データを活用し、劣化状態や品質変動の要因を解析する。診断結果を推論AIへフィードバックし、品質予測モデルを継続的に高度化する
- 品質情報に基づく活用支援:両AIの結果を活用し、再生材の品質や特性をデータに基づいて分類するソーティングを可能にする仕組みの構築を目指す
東北大学と物質・材料研究機構(NIMS)が放射光施設などを活用した高度分析や環境試験を通じて、劣化・品質変動メカニズムの解明を担当。日立は、計測技術およびインライン計測システムの開発を担い、NIMSと日立がトレーサー技術やデジタル解析基盤、フィジカルAIを活用した品質評価・劣化診断技術を開発する。相田商会は材料や装置の提供を通じて、実環境でのデータ取得と技術実証を行う。
日立は、2026年度から2027年度にかけて品質評価AIの開発と精度検証を進め、2027年度以降は蓄積したデータを活用した劣化診断AIの開発を推進。工場内の製造工程由来の再生材(PIR)の評価技術を開発し、将来的には使用済みプラスチック由来の再生材(PCR)への適用拡大も検討するとのことだ。
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