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自治体向けソリューション市場はマイナンバー制度対応需要により拡大――矢野経済研究所が調査

1. 自治体向けソリューション市場概況

 ・2012年度は、住民基本台帳法の改正に伴うシステム改修が行われたものの、経費削減への取り組みが進んだことなどから、前年度比1.8%減となった。

 ・自治体における経費削減の流れが継続するなか、2013年度は、クラウド導入による改修コストや運用コストの低下なども進み、前年度比5.6%減と市場規模は縮小した。

 ・2014年度は、2016年1月に全面施行となる社会保障・税番号制度(マイナンバー)への対応の必要性から、各自治体では、既存システムの更新時期や予算、職員などの人的資源、IT環境整備に関する方針などの個別の状況に応じてマイナンバー制度への準備が進められ、前年度比4.8%増となった。一方、制度対応への方針が決まらないことなどによる対応の遅れや、システム設計の段階で留まっている自治体も多かった。

 ・2015年度は、国民へのマイナンバー通知に伴い、自治体・事業者(ベンダー)の双方がマイナンバー制度対応案件に優先的に取り組んでいる。また、2015年3月には総務省より「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」の改訂版が公表され、それに対応したセキュリティ対策強化を進めている自治体も多いため、2015年度の市場規模は前年度比3.2%増となる見込みである。

2. 自治体向けソリューション市場予測と展望

 ・2012年度から2019年度の自治体向けソリューション市場の年平均成長率(CAGR)はマイナス0.2%とほぼ横ばいの推移であり、2019年度には6,093億円になると予測する。

 ・2016年度は、2015年度にマイナンバーに関連した住民情報系以外のシステム改修を先延ばしした自治体が多かったことから、それらの改修案件が発生すると見込むことができ、2016年度の市場規模は前年度比2.0%増になると予測する。

 ・2017年度から2018年度は、医療保険改革法案が成立したことで、国民健康保険の運営主体が2018 年度以降、市町村から都道府県に移管されるため、それに伴うシステム投資が行われる可能性はある。しかしながら、中小規模のみならず大規模自治体でもクラウド活用が検討されており、クラウド化が進むことでコスト削減がさらに進んでいくことが想定されるため、2017年度、2018年度はいずれも前年割れを予測する。

 ・総務省は自治体クラウド推進において、自治体のシステム運用コスト削減(3割減目標)や業務負担軽減、業務の共通化・標準化、セキュリティ水準の向上などのメリットを訴求し、さまざまな取り組みを行っており、中小規模のみならず大規模自治体でもクラウド化の動きが見られる。自治体クラウドは安価であり、かつ共同利用などに活用することで大幅なシステム運用コストの削減につながることから、自治体クラウドの導入が進めば、自治体向けソリューション市場全体として見た場合には、市場規模の縮小につながっていく可能性があると考える。

 ・2019年度以降は、マイナンバー制度活用における官民での情報連携による新たなサービスの創出が期待できるが、現段階では未知数である。しかしながら、システム運用周辺のBPO需要拡大や、2020年東京オリンピックに向けた公共インフラ整備や老朽化への対策、訪日外国人客の増加による観光関連やセキュリティ対策の強化などの需要は増加していくと考える。

図:自治体向けソリューション市場規模推移予測(作成:矢野経済研究所)  

 今回の発表について詳しくは、矢野経済研究所が刊行した「自治体向けソリューション市場の実態と展望 2016」にまとめられている。

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