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国内ソフトウェア市場、2015年~2020年の年間平均成長率は4.2%――IDCが実績と予測を発表

2015年はPaaSとSaaSの利用拡大がけん引し前年比4.0%増

 2015年の国内ソフトウェア市場は2兆6,174億2,100万円、前年比成長率が4.0%と堅調な成長となった。ソフトウェア市場を構成する3つの大分類市場別では、アプリケーション市場が前年比成長率4.5%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が前年比成長率5.4%、システムインフラストラクチャ市場が前年比成長率2.6%となった。

 最も成長率が高いアプリケーション開発/デプロイメント市場では、アナリティクス需要の拡大やPaaSの高い成長が市場の伸びをけん引した。アプリケーション市場では、SaaSへの移行が進んでいるCRM(Customer Relationship Management)アプリケーション市場とコラボレーティブアプリケーション市場が好調だった。PaaSとSaaSの利用拡大がソフトウェア市場の成長をけん引している。

セルフサービス型BIやコグニティブシステムが急速に成長

 2016年の国内ソフトウェア市場は、前年比成長率4.4%を見込んでいる。2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は4.2%、2020年には3兆2,091億円に達するとIDCでは予測している。また、大分類市場別の2015年~2020年のCAGRはアプリケーション市場が3.7%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が5.4%、システムインフラストラクチャ市場が3.9%とIDCでは予測している。

 2015年~2020年のCAGRが最も高いアプリケーション開発/デプロイメント市場では、ビッグデータ向け統計解析ツールやセルフサービス型BI(Business Intelligence)の浸透などアナリティクス関連市場の高成長が続く。PaaSも、企業が第3のプラットフォーム利用により、価値を創出し、競争上の優位性を確立するデジタルトランスフォーメーション(DX)のプラットフォームとしての採用が拡大し、高成長が継続すると予測している。

 アプリケーション市場では、デジタル化によるサービスの多様化が進み、コグニティブシステムやデジタルマーケティングに関連したソフトウェアとクラウドサービスの急速な利用拡大が見込まれる。

ソフトウェアベンダーはクラウドネイティブに適したビジネスモデルの取り込みが必要

 システムインフラストラクチャ市場では、サイバーセキュリティ対策やマイナンバー制度への対応に向けたセキュリティソフトウェアの投資拡大やシステム運用の自動化、Software-Defined Networks(SDN)やSoftware-Defined Storage(SDS)の本格導入が市場をけん引するとIDCではみている。

 IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの入谷光浩氏は、「DXの進展とともに、SaaS/PaaSの利用拡大が今後さらに加速していく。そのような中で、ソフトウェアベンダーはクライアント/サーバーの時代から続く従来型のパッケージソフトウェアのビジネスモデルから脱却すべき時期に来ている。クラウドサービスへの本格移行やクラウドマーケットプレイスからの提供、ソフトウェアライセンスでのサブスクリプション/従量課金型モデルの採用など、クラウドネイティブ時代に適したソフトウェアビジネスモデルを積極的に取り込んでいくことが必要である」と述べている。

参考資料:国内ソフトウェア市場予測:2015年~2020年(作成:IDC Japan)  

 今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内ソフトウェア市場予測、2016年~2020年」にその詳細が報告されている。

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