中国電力では、広島県および岡山県に1か所ずつ、同様の機能を持たせた計算センターを設置・運用している。計算センターでは、中国電力の全ての顧客情報などの重要なデータを収容・管理しているが、電力の小売全面自由化に合わせたスマートメーターの導入に伴い、同メーターで記録し30分毎の電気ご使用量など、従来から大幅に増加する顧客データを、より安全かつ確実に管理するためのシステム基盤の構築が必要となっていたという。
こうした課題を解決するために、CTCの運用ノウハウならびにEMCおよびヴイエムウェアの技術を活用することで、物理的に離れた位置に所在し、独立で運用してきた2か所の計算センターを仮想的に1つのネットワークとして統合したうえで、両計算センターで新たにスマートメーター運用管理システムの基盤を構築することとした。
これにより、電気の使用量をはじめとする重要なデータが両計算センターで常に共有されることとなり、仮に一方の計算センターにおいてシステム障害が発生した場合でも、他方の計算センターのデータを活用することで、業務を円滑に継続することが可能となるなど、業務信頼度が格段に向上した。
なお、2か所の計算センター、広島―岡山間(約140km)の長距離間での仮想環境構築は国内最大規模になるとしている。
このシステム基盤構築は、中国電力の計算センターに設置されているEMCのデータ記憶装置「EMC VMAX」を、CTCが「EMC VPLEX」により仮想化し、さらにヴイエムウェアのソフトウェア「VMware NSX」でネットワーク全体を仮想化することで、2か所の計算センターを1つの仮想環境として統合した。