2015年は947億7,600万円、前年比32.3%増の高成長
発表によると、2015年の国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場は、前年比32.3%増の高い成長率を記録し、市場規模は947億7,600万円となった。現在の市場は、通信事業者やWebサービスプロバイダなどの先行導入者のストレージを中心にしたインフラストラクチャへの支出が全体の50%を超えている。
一方、新規の採用はパブリッククラウドサービスの利用が急速に広がっており、ビッグデータ向けPaaSを含むソフトウェアセグメントが最も高い40.8%の前年比成長率を記録した。
ビッグデータテクノロジーへの取り組みは、既にテクノロジー企業のみならず一般エンタープライズに拡大している。さらに、ビッグデータアナリティクスがIoTやコグニティブコンピューティングを用いたデジタルトランスフォーメーション(DX)の基盤として認識されることで、企業の投資が拡大する傾向に拍車がかかっている。
DXが進行する中でビッグデータ/アナリティクスの価値は向上
ビッグデータが従来のビジネスアナリティクスの延長線上にある分析精度や頻度の向上のみならず、企業のビジネスそのものを変革し、拡大させるDXに活用されることが今後の市場の成長を大きくけん引するとIDCではみている。国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場は、2020年に2,889億4,500万円となり、なると予測している。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ マーケットアナリストの草地慎太郎氏は、「ユーザー企業や消費者におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)が進行する中で、ビッグデータ/アナリティクスの提供する価値は向上している。ITサプライヤー企業は短期的なIT基盤インテグレーションの販売にとどまらず、長期的なデータ活用のパートナーとしてユーザー企業に対して振舞うことで、ユーザー企業のビッグデータプロジェクトの規模を最大化することが求められる」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場予測、2016年~2020年」にその詳細が報告されている。