出荷額シェアは、富士通が1位、2位がNEC、3位がHP Enterprise
2015年の国内エンタープライズITインフラストラクチャ市場の出荷額は、前年比8.5%増の7,502億5,200万円だった。コンポーネント別に出荷額を見ると、サーバーが市場全体の67.6%に当たる5,069億6,000万円、ストレージが26.4%に当たる1,977億3,800万円、イーサネットスイッチが6.1%の455億5,400万円であった。
コンポーネント別に前年比成長率を見ると、すべてのコンポーネントがプラス成長だった。特にイーサネットスイッチでは、前年比25.2%増の高成長を達成した。第1、第2のプラットフォームから、第3のプラットフォームへのシフトが進展するなかで、ソーシャル/モビリティの活用やIoT(Internet of Things)への取り組みによって、個人、企業、クラウドサービスプロバイダーなどの間において、ネットワークを介したデータのやりとりが加速度的に増加していることが背景にある。
出荷額シェアを見ると、1位が富士通、2位がNEC、3位がHP Enterprise、次いで日立製作所、IBM、デル、シスコシステムズの順。前述のとおり、国内エンタープライズITインフラストラクチャ市場における出荷額の7割弱をサーバーが占めているため、サーバー市場においてシェアの大きいベンダーが、本市場においても上位にランクインした。
クラウドITインフラの出荷額は前年比80.4%増の1,171億3,000万円
また、2015年の国内エンタープライズITインフラストラクチャ市場では、トラディショナルITインフラストラクチャからクラウドITインフラストラクチャへのシフトが加速した。クラウドITインフラの出荷額は、前年比80.4%増の1,171億3,000万円。国内エンタープライズITインフラストラクチャ市場での構成比は、前年から6.2ポイント上昇して15.6%となった。
IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ グループマネージャーの福冨里志氏は、「国内エンタープライズITインフラストラクチャ市場の参加者、つまりハードウェアベンダーにとっては、トラディショナルITインフラストラクチャ事業においてシェアを落とさず、いかにクラウドITインフラストラクチャ事業を伸ばすかが、継続的に利益を確保する上で鍵になる」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行したレポート「国内エンタープライズITインフラストラクチャ市場シェア、2015年:加速したクラウドへのシフト」にその詳細が報告されている。